2023.10.15
雨に遮られた岩井千怜と阿部未悠の逆転劇
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
富士通レディース 2023 東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)最終日
最終日の悪天候が予想された前日、首位と1打差の2位タイでホールアウトした岩井千怜と阿部未悠の表情は悔しさで一杯だった。理想をいえば単独首位でこの日を終えることだったが、最低でも首位タイでフィニッシュしなければ、優勝の可能性がゼロになってしまうと考えていたからだ。そんな2人の思いを断ち切ったのは、奇しくも最終18番パー4だった。
403ヤードの打ち上げで、グリーン手前にはアゴの高いバンカーが待ち受けている難易度1位のホールだ。ここで岩井は2打目でグリーンをとらえ切れずに難しいアプローチを残す。「上げにいかないとボールが止まらない状況だった」こともあり、ボールを上手く寄せ切れず、ピンを2・5メートルオーバーする。そのパーパットを沈めることができずにボギーとし、優勝した櫻井心那に1打ビハインドとなった。「それが心残りですね」と振り返る。
また、阿部も16、17番ホールで連続バーディーを奪い、櫻井に1打差まで迫り、18番で約5メートルのバーディーパットを残したが、決め切ることができず、1打ビハインドのまま2日目を終えた。「最後はもちろん決めたかったというのもありますが、それ以前にチャンスはいくつもありましたから」と自分を戒めていた。
最終日、予報よりも降水量が少なくなる見込みもあり、セカンドカットを行い、トップの組が2時間遅れでスタート。逆転へかすかな望みを託し、ショット、パットの練習をこなしていた岩井と阿部だが、ともに1番ホールのティイングエリアに立つ前に中断となり、そのまま中止となった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「ただただ悔しいです」と岩井がいえば、「やるからにはという気持があったので残念です」と阿部も不完全燃焼の感想をもらす。それでも、2位タイで終えたことは決してマイナス面だけを2人には残していない。8試合ぶりのトップテンフィニッシュとなった岩井は、「ショットもパットもいい感じなので、このいい感じを体で覚えながら練習していけたらと思います」と、残り6戦に向けて前を向いた。
阿部にしても大会前は36位だったメルセデスランキングが28位にまで上昇。同ランキング35位以内に与えられるTOTOジャパンクラシックの出場権を獲得した。「この位置(2位タイ)で終われたことは昨日まで頑張った自分をほめたいなと思いますし、出場権のボーダーラインが迫っている中でいいプレーできたことは自信になります」と前を向いた。
試合に出場するからには優勝を目指して戦うだけに悔しさの方が大きいのは当たり前だが、今回の36ホールが2人にとって無駄にならなかったことは、残り試合が証明しれくれるはずだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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