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2023.11.1

飛距離ダウンでマネジメントの幅が広がった原英莉花

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

TOTO ジャパンクラシック 太平洋クラブ美野里コース(茨城県)

 来季の米女子ツアー参戦を狙う選手にとって、今大会の存在意義は大きい。わざわざ予選会に挑戦しなくても、優勝すればシード権をゲットできるからだ。今回、そのルートを虎視眈々と狙っているのが原英莉花だ。米女子ツアーの2次予選会でまさかのスコア誤記による失格となったが、優勝すると一気にそのミスを取り返すことができる。もちろん、狙って勝てるほど甘くはないが、今年は世界ランキングトップテンの選手がキム ヒョージュしかいない。もちろん、レベルの高い米女子ツアーから43人も出場しているわけだから、国内の試合よりも勝つのは難しい。それでも今季の原は日本女子オープンを制するなど、決して調子は悪くないだけに大会制覇の確率は低くない。

 「日本女子オープンと開催コースは違いますが、自信を持ってドライバーを振り抜き、セカンドショットもイメージを作りながら決め打ちしていけたらと思います」。今大会は米女子ツアーがコースセッティングを行ったことで、グリーンが硬いだけでなく、ピンポジションが難しくなる可能性は高い。しかし、原にも成長の証はしっかりある。

 今季、腰のヘルニア摘出手術を受け、その後はリハビリに励んでいたが、飛距離が通常よりも20ヤード落ちたという。徐々に飛距離が回復してきたものの、本来の飛距離には10ヤードほど及ばない。ただ、飛距離減によるメリットもある。「以前は振れば飛ぶという思いがあり、攻め方が無理しがち、冒険しがちだったのですが、飛ばないことでそれがなくなりました」と振り返る。例えば、越えるかどうか微妙なところにバンカーがあったとする。マン振りしたにもかかわらず、そのバンカーにつかまった場合、イラッとするだけでなく、スコアにも影響する。しかし、最初からバンカーを越せないと思えば刻むことになり、スコア的にもまとまるというのだ。

 「以前は過信しすぎていたのかもしれません。今は自分を把握できている状態なので、あえて長いクラブを持っても気にならなくなりました」。原自身は安全策というが、コースマネジメントが広がったのは確かだろう。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 唯一心配なのはグリーン上で、前週大会の最終日にパッティングのフィーリングが合わないと感じたこともあり、この日はじっくりと練習グリーン上でストロークの調整を行った。「インパクトでボールを逃しがちだったので、ストロークの確認とカップに入るイメージ頭に植えつけました」と、ひたすらパッティング向上に努めた原。優勝するためには、パッティングがキーになることも十分把握しているからこその練習だ。「今週はグリーンを読みにくいので、もう少し時間をかけてラインを読んで決め打ちしたいと思います」と、ストローク以外の課題も解消する考えもある。目標到達までの道のりは険しいが、到達したい気持ちをどこまで貫けるかが勝利へのポイントになるだろう。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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