2015.4.25
ケガの功名で心身共に充実の一ノ瀬優希
2015年LPGAツアー第8戦『フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)の大会2日目が25日、静岡県伊東市の川奈ホテルゴルフコース 富士コース(6,367ヤード/パー72)で行われた。5バーディー、ノーボギーの67をマークした一ノ瀬優希が単独首位に立った。2打差の2位には、今日のベストスコア66を出した金ナリ(韓国)、3打差の3位には前日首位の松森彩夏、藤田光里、金井智子、原江里菜、表純子が続いている。 (天候:晴れ 気温:21.0度 風速:3.2メートル)
昨年、左肩周辺のケガに悩まされ続けた一ノ瀬優希。結局、シーズン途中で競技出場を断念。トーナメント特別保障制度の適用を申請し、リハビリに専念することを決意した。最初は千葉県内の病院に通ったが、その後、国立スポーツ科学センター(JISS)に移った。そこは、トップレベルの競技者が診療やリハビリを行う場所。オリンピックの強化指定選手だった一ノ瀬も日本代表クラスの選手たちと一緒に競技復帰を目指した。「なんでいつまでも治らないの」と、ケガと闘い始めた当初は気持ちだけが焦っていたそうだが、JISSで同じ境遇にある仲間たちと接していくうちに心境も変化。「今まで見られなかった女子の試合をテレビで見られるようになった」と、精神的にも落ち着きを取り戻していったという。一方、JISSに通うようになり、自分の甘さを知ることにもなった。「ボルトが入っている選手ばかりなんですよ」と、自分より重度のケガで悩んでいる選手たちを目の当たりにして、「私なんてまだ軽い方」と感じたという。さらに、「他の競技の選手達は、自分の競技に対する強い思いがある。前しか見ていない。私も頑張らなきゃ」。他競技のトップレベルの選手たちに接して一ノ瀬は大きな刺激を受けた。
リハビリの甲斐もあり、今シーズンは初戦から参戦。痛みを再発しないようにスイングも改造中。その効果も出始め、『Tポイントレディスゴルフトーナメント』では優勝争いに絡むなど、技術的にも体調の面でも全く不安はなくなった。また、リハビリ中に取り組んだトレーニングで「太くなりました」という下半身は安定感を増し、飛距離も伸びたいという。
「今日は80点」と67をマークした2日目のゴルフを自己採点した一ノ瀬。20点の減点は、「まだまだ行けたと思うから」。トーナメントコースレコードの64を持つ一ノ瀬だけに、まだまだビッグスコアを望めそうだ。
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