2023.11.2
岩井明愛、単独首位で目指すはツアー新記録
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
日米両ツアーの選手が出場するUSLPGA公式戦『TOTOジャパンクラシック』(賞金総額200万ドル/優勝賞金30万ドル)が11月2日、茨城県小美玉市・太平洋クラブ美野里コース(6598ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日、9アンダーで岩井明愛が単独首位に立つ。1打差の8アンダー、2位タイには畑岡奈紗、西村優菜、稲見萌寧。7アンダー、5位タイには桑木志帆、リュウ ユーがつけている。
(天候:曇り 気温:19.2℃ 風速:0.5m/s)
《グリーン=スティンプ:11-11 1/2フィート コンパクション:23.5mm》
練習日に今大会の開催コースをラウンドしたとき、岩井明愛の頭にあるイメージが浮かんだという。「初めて回ったコースですが、フェアウェイだけでなくグリーンもラフもきれいな印象で、自分的には好きなコース。いいスコアが出るかもしれないなと思いました」。その予感どおり、大会第1日から爆発的なスコアをマークする。なんとトーナメントコースレコードタイとなる1イーグル、8バーディー、1ボギーの63で回ったのだ。
「久々にいいスコアが出たなという感じですね」と笑顔を見せた岩井。ニチレイレディス第2日にマークした今季ベストの62には及ばなかったものの、63は完全優勝を飾った住友生命Vitalityレディス東海クラシック第1日以来の好スコアである。3日間大会ながら、その試合では最終日まで単独1位の座を守り抜いただけに、吉兆であることは確かだ。
現在メルセデスランキング3位の岩井だが、ここ最近の調子は決して良くなかったという。前週の大会でも初日を首位タイでスタートしながら、最終日に75を叩き、17位タイに終わった。自分の感覚とショットの内容が比例しないことに違和感を覚えていたのが原因だった。もっともそれは岩井自身が高いレベルでのショットを求めているからであり、ある意味考え過ぎの部分があったことは否めない。それを今週は「フェアウェイをとらえたらOK」に変更。技術面だけでなく、メンタル面にも余裕を持たせたことが、好スコアを引き出した。
それが顕著に表れたのが12番パー5だろう。5番ウッドで放つと、ピンそば3メートルにナイスオン。それを沈めてイーグルを奪う。勢いは止まらず、続く13番でもバーディーを奪うと、上がり3ホールも3連続バーディー締めだ。「年齢が4つも違うと、こんなにもアグレッシブなプレーをするのか」と岩井のプレーを間近で見た同組の畑岡奈紗も思わずうなった。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
今大会は米女子ツアーの1試合でもあり、優勝者には来季の同ツアー出場権が与えられる。海外志向のある岩井にしてみれば魅力的な特典であるが、自身に気負いはない。「いつもの試合と変わらない、フラットな感じで行けたので今日は良かったなと思います」と、国内ツアーと同じマインドで試合に臨めた分、余計なプレッシャーを感じることもなかった。
ただ、いくら好きなタイプのコースとはいえ、まさか63を叩き出すところまでは考えていなかったはず。しかし、「大会自体は伸ばし合いになるかなとは思っていました」と、ハイレベルの戦いになることも予想していたという。確かに、この日はピンポジションもそれほど厳しくなかったし、天候を含めたコースコンディションが良かったことも好スコアに拍車をかけたが、このままいけば、テレサ・ルーが16年大王製紙エリエールレディスでマークした24アンダー(4日間大会パー72)を更新する可能性も十分ある。「そういう誰もやったことがない、新しい歴史を作りたいと思います」。残り3日間、どのような展開になるかは分からないが、集中力をMAXに上げて戦い抜く岩井に要注目だ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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