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2015.4.26

どん底から這い上がって掴んだ栄冠

 2015年LPGAツアー第8戦『フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)の大会最終日が26日、静岡県伊東市の川奈ホテルゴルフコース 富士コース(6,367ヤード/パー72)で行われた。大混戦となった最終日、最終18番ホールで劇的なバーディーを決めた藤田光里が、通算7アンダーで涙の初優勝を飾った。1打差の6アンダー2位には、イボミ(韓国)、松森彩夏、表純子、金ナリ(韓国)、一ノ瀬優希が入った。(天候:晴れ 気温:19.3度 風速:2.0メートル)

 「苦しかった昨年のことを思い出しました」。劇的な優勝パットを決めた瞬間、藤田光里の脳裏にはその時のことがよぎったという。昨年夏頃から、ショットが原因で極度のスランプに陥っていた。「クラブをどう握ったらよいか、どう構えたらよいか、どこに上げてどこに下ろすのか」。今まで考えたことがないようなこと。藤田は大きな壁にぶつかっていた。クラブを替えるなどできる限りのことはした。しかし、深刻さは増すばかりだった。8月以降、出場した試合の半分以上は予選落ち。結果が壁の大きさを物語っていた。

 オフに入ると、クラブを置いてゴルフと離れる時間を作った。それが功を奏した。ある時、久々にゴルフをする機会があった。練習もしていなかったが、ボールは真っすぐ飛んでいった。「練習しなくてもまっすぐ行くんだ。それなら、練習すればもっと上手になれるんじゃないか…。ゴルフをやりたい」。藤田が自分を取り戻した瞬間だった。「クラブを握りたくなかった」ぐらいにどん底だったゴルフへの気持ちが払拭された。

 今季、開幕戦から数試合は思うようなゴルフができていなかったが、「ヤマハレディースの3日目に大叩きをしてから、気持ちが切り替わりました」と、その後は2戦連続トップ5入りと好調なゴルフを展開。そろそろという周囲の声も後押しとなり、今日、七宝焼きの優勝杯が藤田の手に収まった。「素直に嬉しいです」と、満面の笑顔で喜びを語った藤田。「ひとつ大きな目標を達成したので、迷うことなく2勝目、3勝目を目指したい。ファンから初優勝を期待されるのがプレッシャーだったけど、2勝目への期待のほうがつらいかも…」と、優勝の喜びに浸る時間もなく、藤田の次なる挑戦はもうすでに始まっている。

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