V2、400Pをダブルで－山下美夢有『心から楽しみ』

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

　JLPGAツアー2023シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』（賞金総額1億2,000万円、優勝賞金3,000万円）が11月23日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ（6,497ヤード/パー72）で開幕。22日はプロアマトーナメント、JLPGA公式会見が行われた。

　大会連覇、年間女王がかかる大一番。もっか、メルセデス・ポイント1位の山下美夢有は、「この試合で、シーズンが終わってしまうのか」。少しさびしそうな表情を浮かべながら、口を開いた。開幕戦から、出場する全試合で優勝を目指し、傾注するスタイル。いいことがあれば、悪いこともある。創意工夫を重ねた一年。懸命に努力を積んできただけに、時が経つのが早いということだろう。光陰、矢の如しだった。

　とはいえ、ファイナルへ向け、きっちりと態勢ができあがっている。いつも辛口で自己評価をすることが多い。しかし、今回は、「前週の第2日のラウンドで、悪いポイントに気がついた。だから、翌日の競技が中止になったことはとても残念。でも、最終日にうまく修正できて、ショットのブレが少なくなって、安定してきた。それだけに、最終戦が心から楽しみです」と笑顔である。

　それどころか、余裕さえ感じられる。「去年、優勝できたし、今年も優勝したいです。ただ、そんなことが少しだけ頭へ浮かぶのは、きょうまでかなぁ。試合がはじまればプレーへ集中。タイトルなども気にしていない。4日間、いいところを変えず、細かいところをしっかりチェックしながら調整することがスタイルです。年間女王も、なれるのなら、ぜひ」。

　自然体でいられることが強みだ。一方で、ここまでを振り返り、23年を『学』の一文字にあてた。「とても学ぶことが多い一年。海外のメジャーで結果を出したい。それが大きな目標でした。でも、それが果たせない。本当に悔しかった。また、帰国して、体調を崩したりして．．．。自分を管理することまでうまくいかない。いろいろな勉強をしました」。

　今年も多くの経験を経て、着実に強くなっている。JLPGAツアー史上初の年間平均ストローク60台は、よほどの大叩きがない限り確実。ただし、そんな偉業を、「平均ストロークは私、あまり考えていない。それよりも3パットをしないことの方が．．．。だって、すごくもったいないでしょう」と、力説するところが、ユニークだ。

　第1日はメルセデス・ポイント2位の申ジエと最終組でスタートする。「ジエさんは、すべてが素晴らしい。しかも、最終戦で優勝を争うことができる。すごくうれしいし、光栄です」と、スーッと背筋を伸ばした。山下、申、岩井明愛が展開するタイトル争い。400ポイントは値千金である。

　タイトルの行方は別項をご覧ください。