2023.11.23
幸せ実感のファイナル 森田遥が首位発進
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金3,000万円)が11月23日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,497ヤード/パー72)で開幕。絶好のコンディションに恵まれ、ファイナルにふさわしいスーパープレーが展開された。首位は67をマークした森田遥。1打差の4アンダー、2位タイに川岸史果、櫻井心那がつけた。注目の年間女王争いは山下美夢有、申ジエが、古江彩佳とともに3アンダー、4位タイと上々のスタート。岩井明愛は1アンダー、10位タイからジャンプアップを狙う。
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《グリーン=スティンプ:9 1/4フィート コンパクション:23mm》
森田遥は3年連続6回目の出場。気候がより穏やかだった第4組というアドバンテージを生かし、7バーディー、2ボギーの67をマークした。やはり、首位スタートは気分がいい。
「60台のスコアが初めて出た。きょうはパッティングです。ガッツパーが2つ、いや3つ・・・。いい流れを止めずに最後までプレーできた」。満足そうにうなずいた。10月、スタンレーレディスホンダで6年ぶりのツアー通算2勝目を飾る。鮮やかな復活。「6年かぁ。小学1年から、6年生までと同じですね」のひとことは、しばし名言だった。
それだけに、今回は最終戦を迎える気構えが明らかに違う。「ここ5年ぐらいはランキングを気にしながら、という感じ。でも、優勝で出場権を得た。プレー中は必死だから、目の前のことだけに一生懸命だけど、プレーが終わればここにいるだけで幸せです」。快進撃のポイントは1バーディー、2ボギーで迎えたパー5・9番だった。
2.5メートルのフックラインをしっかりと、カップイン。バーディーを決め、前半でイーブンパーへ戻す。「後半のスタート、10番は比較的、距離が短いホールがいくつかある。ここでチャンスをつくらなければ、終盤はもっと難しい」と考えた。
341ヤードのパー4・10番。残り50ヤードの第2打をピン奥1.5メートルへつけた。もちろん、連続バーディーである。続くパー5・11番も、より集中力を高め、2メートルのバーディーパットが決まった。プレーのリズムがいい。切れ味鋭いショット、的確なパッティング。輝いて映る。猛暑に見舞われた今季。7月は全休で秋のシーズンを迎えるまで不調に苦しんだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「これほど、苦しいシーズンを体験したことはありません。予選落ちが12試合・・・。ただ、予選落ちといっても、1ストローク足りないとか、考えさせられることがたくさんあった。改めて1ストロークの重みを思い知らされた。コロナにかも感染し、1カ月近く体調が戻らない。休めば休むほど、焦りが出てくる。残りの試合が減っていく」。負のスパイラルを経験しながら、自身を見つめ直した。
「コースへ行っても体調がすぐれない。管理をしっかりしてきたつもりでも、うまくはいかなかった。だけど、どんな内容でも試合ではベストをつくしてきたつもりでいる。後悔などありません」。より頼もしくなった。
無心で攻めた1日を17、18番の連続バーディーで締めくくる。最終ホールは残り185ヤードの第2打を右ラフから7Wで1メートルへ、素晴らしいテクニックを披露し、ギャラリーから大きな拍手をおくられた。
「あすは、もっとシンプルでスマートに行きたい」。心を整えるために、あえて反省の言葉を口にしなかった。
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