5冠の年間女王　山下美夢有－24年はパリへ

＜Photo：Yoshimasa Nakano/Getty Images＞

　JLPGAツアーのスーパーファイナル『JLPGAアワード2023』が12月20日、都内のホテルで開催。山下美夢有が年間最優秀選手賞・JLPGA Mercedes-Benz Player of the Yearへ輝いた。さらに賞金ランキング第1位、JLPGA栄誉賞など5冠を達成。2年連続でツアーの顔にふさわしい表彰ラッシュとなった。また、各賞の受賞者、各大会の優勝者が一堂に集結。華やかなムードで激闘の23年シーズンを締めくくった。

　年間女王を含む、2年連続の5冠達成。名実ともにJLPGAツアーの顔となった山下美夢有は、「たくさんの賞をいただきました。光栄です。本当にうれしい」と、これまでにない満面の笑みをたたえた。そして、改めて、感謝のメッセージを口にする。

　「調子がいまひとつで、私自身が厳しい時、たくさんの方から応援してくださった。おかげさまで毎試合、思い切ったプレーができました。ありがとうございます」。関係者はもちろんのこと、目前にはいなかったファンへ向けて、深々と一礼を行った姿が印象に残る。

　さらには、シーズン終盤、激しくタイトルを争った申ジエへ、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの2日間、ご一緒にラウンドできたことが一生の思い出になりました。技術、人間性などのすばらしさを目の当たりにして、将来につながる貴重な経験をさせていただきました。また、表彰式ではハグまでしてくださって夢のようです。心から感謝を申し上げます」と、ひと言ずつをかみしめるようにメッセージを伝えた。

　この日は、魅せることでもより心を配る。「母と一緒に選びました。黒のドレスはシックでも華やかに映るように。キラキラした感じでかわいらしくしました」。アクセサリーまでシャネルを選び、「人生で一番、高いショッピングです」とうれしそうに話した。

　一方で、24年へ話題が及ぶと、「パリがある」。要は日本代表としてのパリオリンピック出場へ、これまでにない意欲を示す。「気を引き締めて、来年は来年で切り替えます。目標はたくさんありますけど、やはりオリンピックは特別でしょう。メジャー挑戦も大事なことですけど、もし出場できたら当然、金メダルを狙います。表彰台の中央へ立ちたい。しっかり準備をする」。

　従来は目標など、つとめて控えめだったが、2年連続の年間女王へ輝いた自信がトークにも表れる。アワードで司会をつとめた、徳光和夫さんが「100点の答えですね」と、トークのスペシャリストからもタイコ判を押された。まさに口八丁、手八丁の23年シーズンである。

（青木　政司）