2023.12.20
ラストスマイル イボミが選手初の特別功労賞
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
今季限りでJLPGAツアー引退を表明したイボミへ、ファイナル・サプライズが待っていた。選手初の特別功労賞、メディア賞『ベストコメント』部門を受賞。「涙が出ちゃった。大きな賞をふたつもいただきました。22歳で来日し、最初に驚いたのはコース、練習環境のすばらしさ。小林浩美会長をはじめ、JLPGAの皆さん、スポンサーの皆さん、メディアの皆さん、それからファンの皆さんのおかげで私は大きく成長することができました」と、涙をこらえながらあいさつを行った。
アワード閉会後の会見では、「私は大きな賞をいただけるような、そんな選手ではありません。皆さんが考えてくださって本当に、光栄なことです」と改めて謝意を伝えている。引退はひとつの時代の終えんとも感じた。だが、新しい時代の幕開けにも-。2年連続年間女王へ輝いた山下美夢有から大きな花束がおくられる。「(山下と)ご一緒できるだけで光栄です」と感想を述べた。
その時、両眼は遠くを見つめるかのよう。悲願だった賞金女王を獲得した時を思い出した。「タイトルをとって、ようやくプレッシャーから解放され、ようやくうれしい時間が訪れました。本当にうれしかった。日本では21勝をあげました。私にとって、すべてが意味のある優勝です」と、振り返っている。
気になるのは今後のこと。「何もない」と首をひねりながら話す。それでも、第二の人生は、「いろいろな仕事をしたい。今、脳裏に少しだけあるのは、ジュニアの育成です。それからたくさんのジュニアとお会いしたい。これから、どんな人生が待っているのでしょう。私にはわからないけど、きょうの感動を忘れません。そして、いい影響を与えられるような存在になります」と誓いを立てた。
ちなみに、この日はアッと驚くショートヘアで登場。「ちょっとストレスがたまっていたから、きのう髪を切りました」という。まさに心機一転。式が終わると、同い年の申ジエと抱擁シーンも感動的だった。
「これが本当の終わり-そういう短い言葉をかわした」(申)そうだ。コースで人々へ笑顔をふりまき、多くの人が見ているだけで幸せになった。不世出のスーパースターを決して忘れない。笑顔のDNAはしっかりと選手へ伝えられている。
(青木 政司)
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