2024.1.17
JLPGA新しいヒロイン《95期生・平岡 瑠依》
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ひらおか・るい=2000年1月28日、大阪府堺市出身
1月の第3週。プロ2年目の躍進に欠かせないクラブフィッティングを行うため上京した。アマチュア時代から比較的、軽いクラブが好み。しかし、ルーキーイヤーで得た経験から、重量のあるものへ替えるためだ。重いものから軽いもの-へは割に簡単だといわれる。ただし、逆は困難がつきまとう。
「去年は、シードをとりたかった。前半はまずまずの成績をおさめたけど、中盤から後半、成績を残せない。クラブシャフトを試したり、いろいろありました。これも経験かなぁ、と思います」と振り返った。
23年はトップ10が4回。ベストフィニッシュはTポイント×ENEOSの3位タイが目を引く。「大会を通していうと、パッティングが決まりました。それから第1日、ノーボギーラウンドでプレーできたことが大きい」という。加えて、上位での戦いは、プライスレスの体験が待っていた。
「第2日、申ジエさんと同組。以前から、ご一緒できれば-と思っていたんですよ。ひとつ、夢がかないました」とうれしそう。続けて、「楽しい一日でした。それに、すごさを目の当たりにできて・・・。ジエさん、前半からショットは好調でしたけど、なかなかパッティングが決まらない。だけど、上がりの4ホールで連続バーディー。しかも、1メートルなどのパッティングではなく、6-7メートルです。驚きました」と目を丸くしたそうだ。
とはいえ、ホールアウト後、「平岡さんは、とてもいいプレーをしている。これからは自信をもって-と激励してくださった。心の底から、JLPGAツアーで頑張る。そんな決心というのか、覚悟のようなものができた気がします」と語っている。
プロを目指すきっかけは、小学生3年の時。マスターズGCレディースを観戦したことがきっかけだ。不動裕理へサインを求め、快く応じてくれた後、「ありがとう、と不動さんがあたたかい言葉を添えて、色紙を返してくだった。本当はサインをしていただいたわけですから、こちらから先にお礼を申し上げなくてはいけないでしょう。それが、あれだけのすごい人なのに・・・。私もプロになったら、そんな選手になりたいと思いました」。
観戦したその日、もうひとつうれしいことがあったそう。「パー3の17番でプレーを拝見していたら、有村智恵さんから、笑顔とお菓子をいただきました。きょう、私がプレーしているのはおふたりのおかげ。それ以来、目標の選手になった」。少してれくさそうにしながら、明かしてくれたエピソードが素晴らしい。あこがれが目標になる。大事なプロの役割だ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ただし、最終プロテスト合格までは順風満帆とはいえない。最終まで4回進出したものの、5度目の受験で悲願を達成。「実は、4度目の挑戦で不合格になった時、プロになることをあきらめた。気持ちは固まったはずなのに、その日の夜になると再び、パターを握っていました。やっぱり、ゴルフはやめられない。よしっ、もう一度と覚悟を決めて、ようやく合格しました」と話した。経験はムダではないことを実感。23年シーズンを終えると、きっちりと総括を行い、24年のテーマを熟慮した。
「1Wの精度を上げれば、フェアウェイキープ率→パーオン率もあがる。もうひとつ、ミドルパットの強化を行う。パーオンしたホール、私が去年みたところ、シード選手は3回に1ホールはバーディーをとる印象が残りました」。実践あるのみだろう。今季のQTランキングは97位ながら、主催者推薦選考会などへ積極的に挑戦する。少ないチャンスをモノにできるか。正念場だ。
ところで、取材スタート時から気になることがひとつ。ヘミングウェイをアイコンにしたブランドのウェアを着用しているからだ。私もプライベートでお気に入り。だけど、ゴルフウェアのレディースは見たことがない。
「知人からパパスの社長さんをご紹介いただき、一緒にラウンドをしました。それがご縁で去年からレディースを展開するから意見を聞かせてください、と提供していただいています。男子はシニアプロの方がいらっしゃいますけど、女子は私ひとり。役割は重大です」。広告塔としてのつとめも担う。より、成績をあげ露出を増やすことも大切だ。
もうひとつ。愛用のバッグには、人気のモヘヘが気持ちよさそうにぶら下がっていた。その胸には徳川家康、坂本龍馬の刺しゅうがあしらわれている。遠征先の記念に購入したものだ。歴史の偉人と一緒に、志の高さがうかがえる。
(青木 政司)
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