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2024.1.22

JLPGA新しいヒロイン《96期生・本 明夏》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

もと・あすか=2001年4月4日、神奈川県横浜市出身

 大寒が過ぎたとはいうものの、春はまだ遠い。冷たい北風が吹くコースで連日、さまざまなショットを打ち続けている。「去年のQTの経験から、強風が吹きそうな場所を選び、調整している。QTで体験した裾野と葛城、想像以上の状況でした。そんな経験をしたことが少ないから、ちょっと焦りも・・・。どうすれば対応できるか、と考えたら実際にやるしかありません。決めたことだから、もう一生懸命」と頼もしい。

 桃の節句、端午の節句にはさまれた4月4日生まれ。てっきり誕生日は夏、と思ったが-。「夏のように明るく。そんな願いを込め、両親がつけたそうですよ」と話した。ゴルフ歴は11歳から。「近所の練習場にジュニアスクールがあり、手ほどきを受けました。おもしろくなったのは試合へ出場するようになってからです」という。

 理由は、「試合会場へ行けば、仲間が増える。その頃は家が近所とか、学校の同じクラスなどでなければ、友だちにはなりませんね。それが、ゴルフの試合では同世代が各地から来る。自然に交流が深まる。ゴルフってすごいなぁ。今もそうですけど、コミュニケーションをとる、素晴らしいツールだと思います」と真顔で語った。

 幼少時のスポーツ歴は水泳が長い。「個人メドレーの選手。私としてはクロールが一番好きでした」。鍛錬の積み重ねは今日にも生かされている。一方で社交的な性格で物おじしない。独立精神が旺盛だ。高校の選択も。

 「個人競技ばかりやってきたけど、本当はチームスポーツが好きです。ゴルフも団体戦がある。そういうところを自分で探した。残念ですけど、横浜では環境を含めて、いい選択肢がありません。親元を離れて新潟の開志国際高へ」となった。続けて、「ゴルフ部の練習は厳しい。冬のトレーニング、しっかりやったおかげで基礎体力がつきました」と振り返り、「3年間の寮生活、すごく楽しい。在学中はつらいと感じても、今は楽しいことばかりですよ」と笑顔を浮かべた。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 とはいえ、最終プロテスト合格は5度目の受験。「高校3年で初めての受験です。きつかったのは去年の不合格です。カベにぶち当たったというか、クラブをさわりたくもなくなったけど、あきらめないで本当に良かった」。しみじみと語っている。

 「20歳になって、アマチュアをはずした。成人を迎えたら、もう両親からの援助を受けるべきではない、と考えた。レッスンなどで収入を得てきたわけですけど、楽ではない。そんな時でも、テレビでトーナメント中継を見たりすると、力がわいてくる。絶対に、試合へ出て稼ぐ。決意が固まり、気持ちが改まってきた」が、内面の変遷だ。

 得意クラブはミドルアイアン。「良くも悪くも強気です。ミスにつながることがあるけど、私のアイアンショット、皆さんに見てほしい」とファンのメッセージを添えている。北風と対じする練習といい、外見からはうかがえない、強い精神が宿っている。

(青木 政司)

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