2024.1.26
JLPGA新しいヒロイン《95期生・小林 光希》
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
こばやし・みつき=2002年4月15日、岡山県津山市出身
昨年のステップ・アップ・ツアーは、95期による賞金女王争いが行われた。小林光希は1勝を挙げ、トップテンにも8回入ったが、同期のウーチャイェン、大須賀望の後塵を拝し、賞金ランキング3位に終わった。賞金ランキング2位以内に入れば、今季のJLPGAツアーで第1回リランキングが行われる前半戦の出場資格を獲得できただけに、悔しさは募る。
「もう少しやれたなという試合がいくつかありましたからね。最終戦は、2位争いをしていた相手が目の前にいたので、変な力が入りました」。相手とは大須賀のことだが、第2日は同組で、最終日は1つ前の組で小林はラウンドした。最低でも大須賀よりも上位に行かなければ逆転できなかったわけだが、スコアを伸ばし切れずに大会を終えた。
となれば、QTファイナルステージに全てを賭けるしかない。第2日を終えて55位タイと出遅れたものの、第3日に40位タイまで順位を上げると、最終日は30位でフィニッシュ。無事、今季前半戦の出場権を引き寄せた。「QTは周りのことは気にせず、自分のプレーに集中できたことが良かったのかもしれません」。少なからず、ステップ・アップ・ツアーでの経験が生きたのだろう。
昨年はJLPGAツアー1試合のみの出場となった小林だが、その際に感じたのは、グリーンの状態がステップ・アップ・ツアーとは異なることだった。「コンパクションの数値が大きく、表面が硬い印象を受けました。ボールが転がるスピードも速かったですね」。2度のリランキングを乗り越え、シーズン終盤まで出続けるには、そのグリーンを制さなければならない。
「まずはショートパットの精度を上げないと・・・」。本来はパッティングを得意としていたが、昨年の平均パット数(29.9048)には納得がいかないだけに、開幕までにしっかりと立て直すつもりだ。同時に、長いシーズンを乗り越えるだけの体力強化にも励んでいる。「スイングをもっと安定させるのはもちろん、疲れていても練習できるだけの体力が必要となります。そのためにも体幹を鍛えたいですね」。パッティングでは下半身の安定感を求められるだけに、体力強化により、パッティングの向上も十分期待できる。
ただ、小林にとって秘かに期待する部分もある。アイアンショットの精度が以前よりも上がっているからだ。「今のクラブに替えてから飛距離は5ヤード落ちましたが、高さが出る分止まりやすいので、ピンをデッドに狙えるようになりました」。実は、昨年だけで小林は5度のスーパーショットを披露している。「ホールインワンが3回、パー4でのイーグルが2回ありました」。使用クラブは5番アイアン、6番アイアン(2度)、8番アイアン、9番アイアンと多岐にわたる。方向性と距離感が合っていなければ、100ヤード以上離れたところからカップにボールを沈めることはできないだろう。高さを得たアイアンショットはJLPGAツアーの硬いグリーンでも止まる可能性も大きく、大きな武器となりそうだ。
普段の生活では勝負にこだわる場面は少ないが、クラブを握った途端、負けず嫌いが顔を出す。「たとえ仲のいい選手でも負けたくありませんし、誰が相手でも競り勝てるような選手になりたいです」。昨年は優勝争いをしながら勝ち切れなかったときは、シューティングゲームでストレスを解消していたという小林。今シーズン、ゲームに興じる時間が少なければ、目標とするシード獲得に大きく近づいているはずだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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