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2024.3.2

自己ベストの10バーディー 岩井千怜が首位奪回

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン開幕戦『第37回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)第3日が3月2日、沖縄県・琉球ゴルフ倶楽部(6,595ヤード/パー72)で行われ、岩井千怜が首位に立った。自己最多の1ラウンド、10バーディーをマーク。通算13アンダーで今季初Vを目指す。1打差の通算12アンダー、2位は西郷真央。通算9アンダー、3位タイの仁井優花が逆転を狙う。
(天候:曇り 気温:13.8℃ 風速:5.7m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23.5mm》

 バーディーは元気の源。岩井千怜が首位を奪回し、首位で最終日を迎える。「明日もバーディーをたくさんとる。皆さんが元気になってもらえるように-」。自身の決めセリフが飛び出した。

 沖縄とは思えないような肌寒い一日。ところが、序盤からエンジン全開のプレーを披露した。1番、2.5メートルのバーディーで弾みがつくと、2番でも2メートルのチャンスをあっさりと決めている。バーディーショーの幕開けだ。

 「1位との差を詰めたい、が目標でした。それを上回るようなプレー。私が一番、びっくりしている」とホールアウト後、満面の笑顔をみせた。それはそうだ。14番まで、積み上げたバーディー数は9。トーナメントコースレコード更新の期待までふくらませた。ところが、好事魔多し。

 15番、第1打が右ラフへ。木の枝が視界に入る。しかもライがよくない。残り111ヤード。5Iで花道から転がし、グリーンを狙うマネジメントだった。ところが、バンカーへ。第3打もグリーンをとらえることができず結局、ダブルボギーを叩いた。続く、16番もパーセーブに失敗。

 「15番は練習ラウンドで、同じ位置からウッドを試していた。それを考えると、アイアンでひっかけてしまったのは残念。もっと、違う選択肢があった。次の16番もカップを狙ったパッティングが、ちょっと強めに・・・。やっちゃった、という感じでした。だけど、ミスをしたら仕方がない。(この2ホールは)コースの罠に引っかかった-と気持ちを切り替えた」という。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 結果は変えることができない。ただ、優れているのは思考ひとつで流れを変えてしまうことだった。17番、残り85ヤードの第2打を3メートルへつけ、バーディーを取り返す。

 「オーバーパーに終わった第2日は、ものすごく悔しい。悔しくて、悔しかった」と振り返った。ただし、「そんな状態でもよく眠ることができた」。このあたりのセルフコントロールが、あっさりとできてしまうところが技術に加え、秀でている見えない資質だ。

 もちろん、首位は指定席とばかりに、あすは西郷真央との2日連続の直接対決を楽しみにしている。「1打のリードは大切です。でも、最終日は1打リードとは考えず、攻めるだけでしょう。私のスタイルでスコアを伸ばしたい」と前置きし、「(西郷は)米ツアーで戦う選手。すごく上手です。決めるところは決める。今日も強いショットをたくさん、間近で拝見しました」と大いに気合が入った様子だ。

 ところで、この日のバーディー奪取は10。ここまで23年、リゾートトラスト レディス第2日でマークした9が最高だけに、自己ベストを更新したことになる。「1ラウンドで、18はちょっと無理だと思うけど、13ぐらいはいけるんじゃないか・・・。ただ、1ラウンドで10バーディーをとることも、かなり大変です。あすも二ケタ、頑張ります」と、実に頼もしい。

 元気が出るゴルフを日曜日も、乞うご期待-。

(青木 政司)

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