2024.4.4
上田桃子-2年の空白を埋める挑戦
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)
あれから2年。22年大会で優勝を飾った上田桃子が、思い出のコースでアゲインを狙っている。「グリーンのアンジュレーションがある。難しいなぁ。だから、どこにでもピンポジションがふれる。それから、2年前より距離がのびているコースもあります。ティーイングエリアだって、タテに長いからやっかいです」が感想だった。
そして、意外なことを口に…。「去年から左手首が痛かった。通常、12月はボールを打たず、素振りを重点にしている。やっていれば治るかなぁ、と思っていたら、そうでもなかった。検査をしたら、水がたまっている…。とにかく、安静にするしかない。でも、オフからケアよりも練習ばかりしていました」と苦悩を語った。
この日も左手にはテーピングが。ただし、静かな闘志を燃やしていることは確かだ。2年前、今コースで開催された大会では上田、大里、岸部と3人の桃子がV争いを演じ、大いに話題を集めた。「気がつけば、3人ともにあれから勝っていませんね」。ちょっとさびしそうな表情を浮かべている。
前週は治療と調整に充て、今大会へ臨む。「シーズンは4-5試合で、1週間の休みをはさむ。本当は練習をしたかったけど、アプローチとパッティングだけにとどめた。しかし、きょうプレーした感じは悪くはない」。だから、左手首のことを明かしたのだろう。プロは故障を言い訳にしない、ことが自身の心情でもある。
一方で、今回はこんなテーマを。「この2年間、(優勝の)チャンスがなかったわけではない。予報をみると、私が勝った時とは違って、今回は風などが穏やかだとか。だから、若手はピンを狙ってガンガン攻めてくるでしょう。今季は特にアグレッシブの時代。私の大好きなコースで今の私を知るには、もってこいでしょう。(手首痛の)治療器具も持参しました」と、明かしている。誰よりもVを渇望するベテランは、まるでルーキーのように目を輝かせている。
(青木 政司)
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