2024.4.5
「もう優勝争いだけでは満足できない」地元の佐久間朱莉が初Vへ決意の首位発進
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第6戦『富士フイルム・スタジオアリス女子オープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が4月5日、埼玉県鳩山町・石坂ゴルフ倶楽部(6,535ヤード/パー72)で開幕した。第1日は佐久間朱莉と上田桃子が5アンダーで首位に並び、1打差で穴井詩と脇元華、2打差で今季2勝の鈴木愛ら5人が追う展開で発進した。
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《グリーン=スティンプ:10 1/3フィート コンパクション:24mm》
JLPGAツアー初優勝の条件はそろった。21歳の佐久間朱莉が、勝手知ったるコースでバーディーを積み重ねていった。1番パー5で89ヤードの第3打をピン横1メートルに寄せ、難なくバーディーパットを決めると、続く2番パー3でもティーショットを約3メートルに付けて連続バーディーを奪った。終始ショットが安定し、前半だけで5バーディー・ノーボギー。後半は一転、1バーディー1ボギーの我慢のゴルフとなったが、上田桃子と首位に並び第2日以降へ向かうことになった。
埼玉県川越市出身で、今大会のコースには車で20~30分かけて「自宅通勤」している。「母の温かいご飯を食べられて、自分の部屋のベッドでゆっくり眠れるので、リラックスして試合に臨めています」とメリットを強調する。大会開幕前夜の食事は、母手製のカレーだったそうで、「どうしても食べたかったので、プロアマに出かける前に、母に頼んで朝から準備してもらいました」と笑った。
そもそも、このコースには中学時代に週1ペースで練習に通っていた。大きくて傾斜が強いグリーンの特徴などは、頭に入っている。「グリーン上の段差のきつい方に外すと、普通に3パットを喫してしまいます。常に外してもいい方を考えながらマネジメントしていました」と明かす。
そして「ここでやる時にはいつも、1番でバーディーを取って流れに乗りたいと考えています」と語る攻略法通りにスコアメークしていった。
佐久間の最大の武器である正確なショットも「このコースで、狭いスポットを狙って打つ練習を重ねたことが、プロになってからも生かされているのだと思います」と感謝を口にするほどだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2021年のプロテストに合格したホープは、昨年6月、「リシャール・ミル ヨネックスレディス」で川岸史果とのプレーオフにもつれ込んだ末に惜敗したが、いまだに優勝カップを抱いたことがない。既に同い年の岩井千怜は5度、岩井明愛は3度の優勝を遂げているだけに、「これまでは優勝争いができればうれしかったけれど、今は満足できません。勝ちたいとか、勝てたらいいなではなく、今年からは本当に勝ちに来ています」と言葉に力を込めた。
年明けに、格好の刺激も受けた。恩師のプロゴルファー・尾崎将司の誕生日(1月24日)のお祝いに、次弟の健夫、末弟の直道も集まった。佐久間は尾崎3兄弟から代わるがわる「おまえはもっと勝ちにこだわれ」、「ゴルフがうまいだけでは勝てないぞ」などと激励された。「『ゴルフはうまい』とほめていただいたことはうれしかったですが、絶対に勝つのだと、そこで気持ちが変わりました」と胸の内を明かす。
「1打1打に集中して、しっかり優勝できるように頑張りたいです」と意を決している佐久間。もう一歩も譲るつもりはない。
(宮脇 広久)
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