2024.6.24
ツアー初Vへ大きく前進、安田祐香が今季最高の2位
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)最終日
最終18番パー5で10メートルのスライスラインを沈めると、安田祐香は静かに微笑んだ。この日5つ目のバーディーを奪ったことで、通算13アンダーにまでスコアを伸ばした。優勝した小祝さくらに3打届かない2位だったが、満足感はある。今季最高位はブリヂストンレディスでの7位タイ。それを大きく上回ったからだ。
「5日間戦いましたし、コースはラフが長いので、腕とかいろんなところが痛くなりました。それプラス今日は暑さもあったのでしんどかったです」。真夏を思わせるような最高気温31.5度は安田にとって難敵だったが、それを乗り越えての67は十分合格点をクリアしたといえる。
もちろん、いきなり好スコアが出たわけではない。初めてシード選手として臨む今季は開幕戦から思うような成績を残せずにいたが、安田なりに試行錯誤を繰り返していた。「私の持ち球はドローボールですが、グリーンにボールが止まりにくいので、あえてフェード系のボールを打つようにしていました」。ボールに左回転がかかるとランが多めに出るが、右回転がかかるとスピンが効いて止まりやすい。ドローヒッターの安田にとって、止まるボールを打つことはここ数年の課題だった。今季は積極的にトーナメント中でもカット打ちを試した結果、徐々にフェード系のボールを打てるようになってきていた。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
「最終日、17番ホールのピン位置はピン右奥でしたが、上手くフェードを打てたと思います」。昨年までのように持ち球がドローだけだとピンを狙えなかったケースだけに、自分の成長に胸を張る。今季は昨年のパーオン率71.3262パーセント(17位)から64.0097パーセント(45位)に下がっているが、新たなことに挑戦しているからこそでもある。それでも、今大会でのパーオン率は69.4444パーセント。イメージどおりのショットを打てる確率が上がっているのは確かだ。
00年度生まれとして、アマチュア時代から将来を嘱望されていた安田。今年でプロ5年目となるが、ツアー初Vを達成したい気持ちは強く、周囲からの期待が大きいことも理解している。「今季は最終日にアンダーパーをマークすることが多くなっていますし、優勝に近づいていると思います。ゴルフの総合力を上げて、もっと強いゴルファーになれるように頑張ります」。
ツアーはまだ20試合残っている。今季中に優勝を飾るチャンスは十分にあるはずだ。
(山西 英希)
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