2024.7.3
上昇・鈴木愛 アメリカ土産をいよいよ-
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)
ついに発見。鈴木愛がなめらかなスイングで上昇機運を漂わせている。今季2勝と上々のスタートを切りながら、最近はショットの不調などで、優勝争いへ加わることが少ない。
ところが、今大会前日、「今回はすごく調子が良くなった。見ていてください」と、自らが切り出した。こんなケースは本当に珍しい。理想が高い証拠だ。
その経緯を聞いてびっくり。「全米女子オープン第1日、パク・ヒョンギョンさんと同組でした。顔も名前も存じあげてはいません。ただ、練習場からすごくきれいなスイングをしている。横から見ていて目を奪われた。すごいなぁ。私の探しているものはこれだ、というひらめきがあった。当然、試合でもじっくり拝見したかったけど、名うての難コースですから、自分のプレーへ集中しないといけない。帰国したらゆっくり動画を探そうと思った」そうだ。
しかし、連戦が続き、じっくりと検索をする時間がない。ようやく動画を集めて、集中してスイングを分析。「うしろから撮影したシーンが目を引いた。フォロースルーが特に参考になりましたね」と話している。
コーチがいるわけではない。自身の目を通しながら、さまざまなデータを収集して考えながら、フィルターにかけていく。よりよいものを求めて、試行錯誤を続けている。天性の資質はもちろんだが、ゴルフ脳の素晴らしさは特筆ものだろう。すぐに取り入れて、実践できるわけだから、名手はやはり違うのだ。
一方で、この日は練習で複数のパターを使用。「前週、最終日のボギーはすべて3パットだった」と首をひねった。「こういうときは気分転換も兼ねて、違うパターを使うこともプラスになります。どれを使うか、決断は明朝」。弘法も時には筆を選ぶのだ。
「次週はオープンウィーク。前半戦の区切りの試合ですから、いい内容で折り返したい。きのう、グリーンはとても重いフィーリングだったけど、きょうはびっくりするぐらい速くなってきた。私向きかもしれませんね」と静かに語った。
スイングを含め、パッティングも今大会は必見である。
(青木 政司)
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