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2024.8.2

動と静にひと工夫 木村彩子-苦手を完全払拭

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第21戦『北海道 meiji カップ』(賞金総額9,000万円、優勝賞金1,620万円)が8月2日、北海道北広島市・札幌国際カントリークラブ 島松コース(6,568ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日、木村彩子が66をマーク。6アンダーで首位に立った。1打差の5アンダー、2位は岩井明愛。3位は4アンダーの竹田麗央、小祝さくらがつけた。
(天候:曇り 気温:25.2℃ 風速:4.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:22.5mm》

 高いのは、志ばかりではない。スイング改造から1年。木村彩子が、これまで以上の手応えを感じている。6アンダーと好スタートを切った。「パッティングの調子がいい。もちろん、ショットでチャンスをつくったからですけどね」と、うれしそう。

 不得手を、得手に変えた。1年の歳月をかけて-。「去年まで洋芝がすごく苦手。北海道の試合になると、さっぱりでした。直接のきっかけは去年のAIG女子オープン。スイングでトップを高くして、クラブを上から入れるようにした」。

 今大会は過去4戦出場し、すべて予選落ちだった。しかも、アンダーパーをマークしたことも皆無。こうなると、苦手のひとことではプロのプライドが許さない。オープンウィークの前週は、しっかりと調整に充てている。その合間を縫って、鳴釜神事で知られる、日本遺産の岡山・吉備津神社へ参拝。これからに備え、身体健全を祈願した。

 意気揚々と北海道へ。早速、効果が表れたというわけだ。この日は、インスタート。11番でグリーン奥のカラーから、8メートルのバーディーを決めて勢いに乗った。続く12番はピン手前3メートルのスライスラインを。さらに、13番ではピン奥5メートルをカップインさせている。その3連続バーディーを間近にすると、前年までの苦戦がうそのようである。前半を5バーディー、ノーボギーでハーフターンのインターバルへ。

 「クラブハウスで青木(瀬令奈)さんから、(バーディーが)5つ、ナイス、と声をかけてくださった。さらに、あと4つだったね-と、ひと声のおまけまで・・・。それを聞いた時、ハッとしました。私には9ホールをすべてバーディー、という考えがなかったからです」という舞台裏も語った。要は、現状に満足しない向上心をもつことが大切なのだ。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 後半は2バーディー、1ボギーだったものの、最終9番では2メートルのバーディーをカップインさせ、気持ちの良い一日の締めくくりである。一方、見逃してならないのはパッティングでも、ひと工夫したこと。「傾斜をしっかり把握して、ラインを読むことですべてが決まります。大東建託・いい部屋ネットレディスで気がついたことがあった。あの試合は、とにかくスコアを伸ばさなくてはならない状況。だから、バーディー、バーディーが欲しいと、そればかりが脳裏をかすめて・・・。65位タイで第1日が終わった後、ちょっと反省というか、これではいけないと考えを改めた」そうだ。

 そして、第2日から、「アドレスへ入って構えた時、すべてが決まると考えた。その後は無の心でボールへフェースを当てる。つまり、心の中の欲をすべて消してしまった」と続けた。その結果がジワリと成績を上げていき、最終日はトップ10フィニッシュ。

 もちろん、今回も同様だ。66は、心技体が結実した証。夏から実りの季節を迎えても、何ら不思議はない。

(青木 政司)

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