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2024.8.8

稲見萌寧、9ヵ月ぶりにJLPGAツアー参戦

NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)

 昨年11月のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ以来、約9ヵ月ぶりのJLPGAツアー出場となる稲見萌寧。今季は米女子ツアーを主戦場にしているからだが、久々の国内登場でどのようなゴルフを披露するのか注目が集まる。

 ただ、稲見自身からはあまり景気のいい話は出てこない。「正直、トーナメントに出場できるレベルじゃないぐらい、調子はよくありません」と、表情を硬くする。聞けば、思うようなショットを打てないとのこと。「左右どちらにも曲がるし、ダフリも出る状態です」。その理由は、スイング改造にある。

 これまでとほぼ逆の動きを行おうとしているため、自分が思い描いたスイングをなかなか実現できないのだ。「今のスイングを我慢して続けるのがいいのか、できないことはできないと割り切った方がいいのか・・・」。ツアープロレベルになると、トップの位置を数センチ変えるだけでもひと苦労だというが、まるっきり異なる動きを身につけようとするのだから、稲見の苦悩は相当なものだろう。

 通常、シーズン中に選手がそこまでスイングを変えることは稀だが、今季の稲見が残した成績を振り返ると納得せざるを得ない。13試合に出場して予選通過が5試合、最高位が稲見にとって出場2戦目のドライブオン選手権での8位タイだ。この大会では最終日に68をマークしているが、以降の試合で60台をマークしたことは一度もない。翌年のシード権を獲得するにはCMEグローブポイントランキング80位以内に入る必要がある。現在、稲見の順位は89位なので、起死回生を狙ってのスイング改造といえるだろう。

 苦戦が続く稲見だが、実は秘かにJLPGAツアーで続けている記録がある。19年の初優勝から昨年まで5年連続でツアー優勝を飾っているのだ。ツアー制度施行後の記録では、不動裕理の10年連続が最長記録だが、7年連続以上記録している選手は皆記録が途切れている。継続中の選手では、小祝さくらが6年連続ツアー優勝を飾っている。稲見の記録はそれに続くだけに、継続してほしいところだ。

 昨年の今大会では5位タイに入っているだけに、コースとの相性はそれほど悪くはない。世間ではパリ五輪が話題の中心だが、3年前の東京五輪では銀メダルを獲得している稲見。当時は金メダルを逃した無念さも大きかったが、改めてその偉業の大きさを感じる人も少なくないだろう。今は苦しいかもしれないが、目の前に立ちはだかる壁が高いほど、乗り越えたときに得るものも大きいという。稲見がその壁を超えることをぜひとも信じたいところだ。

(山西 英希)

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