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2024.9.14

山下美夢有 女王の貫禄で19歳・菅を逆転、今季初Vへ王手

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第27戦『第55回住友生命Vitalityレディス 東海クラシック』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が9月14日、愛知県美浜町・新南愛知カントリークラブ美浜コース(6,560ヤード/パー72)で行われた。2位からスタートした山下美夢有が5バーディー、ノーボギーの67で回り、通算12アンダーで首位に浮上した。菅楓華はスコアを2つ伸ばし、2打差の通算10アンダー、2位。岩井明愛は通算8アンダー、3位から大会連覇を狙う。
(天候:晴れ 気温:31.2℃ 風速:3.0m/s)
《グリーン=スティンプ:9 1/4フィート コンパクション:22mm》

 山下美夢有が2年連続年間女王の貫禄を見せつけ、待望の今季初勝利へ王手をかけた。この日は19歳のルーキーで「目標の選手は山下さん」と公言している菅楓華と、初めて同組で回り挑戦を受けた。

 スタート時点では、単独首位の菅に1打リードを許していた。いきなり1番で10メートル以上、2番でも3メートルの長いパッティングを決め、連続バーディーで早々と逆転。4番でボギーを叩いた菅に2打差をつけた。しかし、菅もさるもので、5-8番の4ホールで3バーディーを奪って追いつき、12番で7メートルのバーディーパットを沈めて再逆転に成功した。

 ただし、キャリアで大きく勝る山下は最後の3ホールで地力を見せる。16番で7メートルのバーディーパットを決めて首位に並び、最終18番・パー4では、145ヤードの第2打を8Iでピン手前3メートルにつけてバーディー。このホールをボギーとした菅に2打差をつけ、最終日に臨むことになった。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 今季はJLPGAツアーと全米女子オープン、全米女子プロゴルフ選手権、パリ五輪、全英女子オープンを掛け持ち。時差ありの移動が多く、例年以上に過酷なスケジュールをこなしている。母の有貴さんは「特に大変だったのは8月の全英女子オープンの時で、大阪の自宅を出てから現地の宿泊先に着くまでに25時間もかかりました」と苦笑する。

 父でコーチ役の勝臣さんは「今は休養をしっかり取ることを優先していて、ショットのアドレスが少しおかしいのはわかっているのですが、あえて直そうとしていません」と苦しい胸の内を吐露。そんな環境でも弱音は微塵も吐かず、JLPGAツアーでも6度2位となり、メルセデス・ランキング2位につけているのだから驚異的だ。

 念願の初優勝がかかる最終日に向けてもプレー同様、表情を変えることなく「とりあえず目の前の事に集中して、しっかりスコアを伸ばしたいです」と淡々と語る山下。ただ、両親に加えてこの日、男子プロテスト合格を果たしたばかりの弟・勝将さん(近大4年)も来場していたことについてだけは、「来るとは聞いていませんでした。うれしいです」と相好を崩した。優勝カップを手に、最高の笑顔を見せてほしい。

(宮脇 廣久)

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