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2024.10.18

岩井明愛、自己最高の年間4勝に近づく首位浮上

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第32戦『NOBUTA GROUP マスターズGC レディース』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)大会第2日が10月18日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6,506ヤード/パー72)で行われた。今季2勝の小祝さくら、同3勝の岩井明愛、初優勝を狙う宮田成華が通算11アンダーで首位に並んだ。4位に通算10アンダーで山下美夢有が続く。
(天候:曇り 気温:26.4℃ 風速:3.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:22.5mm》

 岩井明愛がよく口にするのが、「ギャラリーをワクワクさせるようなプレーを見せたい」ということばだが、この日はスタートホールからワクワクタイムがやってきた。512ヤードのパー5、第2打を右サイドのバンカーに入れてしまう。ピンまでは65ヤード。58度のウェッジを選択しただけに、通常のエクスプロージョンショットでは届かない。かといって、ボールはアゴに近いのでロフトの小さいクラブに替えることは難しい。どのように打つのかギャラリーの注目も集まったが、ボールをクリーンに打ち、ピン左1メートル弱に寄せてきた。その瞬間、ギャラリーからどよめきが起こったほどだ。

 「今日は何となくいいイメージでいけると思いました」と涼しい顔で振り返ったが、それほど難しい1打ではなかったとのこと。ただ、そのバーディーパットを沈めると、勢いに乗ったのか、前半だけで4つのバーディーを奪取。後半に入っても勢いは衰えず、スコアをさらに2つ伸ばして迎えたのがこの日2度目のワクワクタイムだった。

 舞台は16番パー4。ティーショットを左に曲げると極端なつま先上がりのライへ。しかも、足元はバンカー内のため、スイングのバランスをとりにくいのは間違いない。ピンまでは残り130ヤードあり、9番アイアンを手にした明愛。ボールの位置が高いので、クラブを思い切り短く持たなければならない。しかも大きく振ることができない状況だ。やはり、ギャラリーはどのように打つのか興味津々だった。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 この場合、左へ曲がるフックボールが出やすいので、岩井はグリーン右エッジを狙ったという。集中力をMAXにして放った1打は、予想どおりグリーン右エッジ方面から左に曲がり、ピン手前に落ちる。ボールは止まらず、ピンを6メートルオーバーしたものの、2オンに成功したことでギャラリーからまたもや感嘆の声が上がる。そのパットを沈め、この日7つ目のバーディーを奪った岩井。聞けば、練習ラウンドで同じシチュエーションからボールを打っていたという。「それが良かったのかもしれません」。備えあれば患いなしだが、気がつけば、通算11アンダーで首位に並んでいた。

 昨年に続き、今季も3勝を挙げている岩井だが、できれば残り6戦であと1勝したいという。年間4勝は自己最多記録となるが、仮に今週なら4日間大会だけにメルセデス・ランキングのポイント数も稼げる。現在同ランク3位につけている岩井だが、今大会で同ランク1位の竹田麗央が予選落ちしたため、優勝すると一気に300ポイントを縮めることができる。

 「最終日をいい位置で迎えることができたら、狙いたいなと思います」。スコアボードの上位には、山下美夢有や小祝さくらといったメルセデス・ランキングの上位陣が控えている。簡単には道を開けてくれそうにもないが、Vロードへの道は自分で切り開くつもりだ。

(山西 英希)

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