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2015.7.26

アンソンジュ、ミセス初V! 1打差で逃げ切る

 2015年LPGAツアー第19戦『センチュリー21レディスゴルフトーナメント』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)最終日が、7月26日、静岡県伊豆の国市の伊豆大仁カントリークラブ(6,531ヤード/パー72)で行われた。初日から首位に立った、昨年の賞金女王アンソンジュ(韓国)が、通算15アンダーで今季初優勝。1打差の通算14アンダー、2位タイは、菊地絵理香、ペヒキョン(韓国)。通算12アンダーの4位タイに若林舞衣子、東浩子が入った。(天候:晴れ 気温:32.5度、風速:1.8メートル)

 ミセス初V! 百戦錬磨の女王、アンソンジュもこれまでにないようなプレッシャーに襲われていた。「並ばれて、16番でようやくバーディーを獲って、逃げきれました」と、大きなため息をつく。2日目を終わり、2位とは3ストロークのアドバンテージがあった。しかし、スタート前の表情は、硬い。コンビを組む夫のキムソンホさんも同様だ。「結婚してから、勝てない。そう周囲が話しているのが耳に入ってきた。そんなことはないのに…。だから、どうしても勝ちたい。勝ちたかった。きょうの1勝はとても意味のあるものだったと思います」と力強く語った。スポーツ界には、奇妙なジンクスがある。カテゴリーにかかわらず、結婚後は成績があがらなくなる、と-。横峯さくらも結婚発表後、約半年間、勝利から遠ざかり、アンと同じような話をしていたほどだ。

 最終18番、普通なら何でもないようなパーパットも、「緊張で手が震えていました」といい、ウイニングパットを決めた瞬間、飛び出す両手をあげるポーズをつくるのもしばし忘れてしまった。「優勝が決まった瞬間、結婚してからのいろいろな出来事が、次々によみがえってきました。本当は手をあげたかったなぁ」と振り返ったアンの目からは、涙が光っている。「今年、首痛に悩まされてきたのも、勝てないといわれてきたことがストレスになって、痛めてしまったのかもしれません」。

 これまでに味わったことのないプレッシャーから解放されたアン。ツアーも後半戦。2014年の賞金女王がいよいよエンジンをかける。もっかの賞金ランクは12位。首位を独走するイボミとは約7,700万円の差がある。それだけに、「去年、達成できなかった平均ストローク60台を目指していく」と力を込めて宣言。気になるのは、次週以降もキムさんとのコンビが続くのか?だろう。「2週間のオープンウィークの間、北海道へ男子ツアーを観戦しに行きました。その時、彼が〝キャディーをしてあなたを助けてあげたい〟といってくれた。もっとも私にしてみれば、ゴルフはあなたよりヘタじゃないから大丈夫と思いましたけどね」と本音が飛び出し、さらにボルテージがあがる。「彼にキャディーをしてもらう、次の予定は今のところありません。優勝のボーナス?それが難しい。彼は優勝の賞金を全てといっているけど、口座の暗証番号は私しか知らない。韓国で家も買いたい。だから貯金です。あげませんよ」。その時ばかりは、プロゴルファーから一転、しっかりものの奥様の顔に変わった。

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