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2015.8.2

ついに勝った、原江里菜! 解放と感謝は強さの証明

<写真:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2015年LPGAツアー第20戦、新規トーナメントの『大東建託・いい部屋ネットレディス』(賞金総額8,000万円、優勝1,440万円)の最終日が8月2日、山梨県南都留郡鳴沢村の鳴沢ゴルフ倶楽部(6,587ヤード/パー72)で行われ、原江里菜が6年350日ぶりのツアー2勝目を飾った。通算9アンダーでの完全優勝。1打差の2位タイは、イボミとアンソンジュの韓国勢が入った。また、7位タイでホールアウトした新垣比菜が、アマチュアとして史上初の3週連続トップ10入りを果たしている。
(天候:晴れ、気温31.2度、風速:2.6メートル)

 7年間の呪縛を振り切った。率直な気持ちを原江里菜は、「解放」と表現。長い、長い1日を、第1日からの完全Vという最高の結果で締めくくった。「18番は、パーでいいからと自分に言い聞かせた。今までなら、レイアップするとビビッていると周囲から見られるのでは-という気持ちから(2オンを)狙ったかもしれない」と話し、ウイニングパットを簡単に決めたのは、「早く決めてしまわないと、感極まってしまいそうだったから」と明かす。

 前日の会見では、自らを奮い立たす意味で、しきりに精神面の強さをアピール。ところが、序盤は、「スタートから3、4ホールまで、かなり緊張していた。でも、体が動いていたので良かったです」。一方、同じ最終組でプレーする2位からスタートしたアンソンジュは1、2番で連続バーディー発進するチャージをかけた。4番で原がボギーを叩いて2位に後退。とはいえ、「リードを守らなければという気持ちが、一度は抜かれたことで、冷静になれたと思う」と克明に心理を解説した。客観的に自分を見られることが、7年の進化。

 それだけに、バックナインへ向かう途中では、精神面だけではなく、技術面の改善まで閃いたという。「プレーに関しては、やりながら良くなっている感じ。試行錯誤しながら、後半にピークを持っていく。一番良かったのは、パッティングでストロークを変えたことだと思います。右の腕圧を下げていったら、本当にスムーズになりました」。首位を奪回した15番のバーディーも、その賜物だ。

 2メートルを難なく沈める。「ラインをきっちり読んで、しっかり打てた」と自画自賛した。「初優勝した時は、独走でした。だから、自然に流れに乗った感じ。ただ、今回は、自分が人と競り合うというより、緊張感やプレッシャーにどう打ち勝つか、でしたね。相手は見えていなかったから」。

 この日、「解放」とともに、何度も口にした言葉は「感謝」だった。強烈なプレッシャーを浴びせ、優勝を争ったアンに、「14番で、(イ)ボミが8アンダーでホールアウトしたことをスコアボードで知りました。そのとき、(アン)ソンジュが『最終組から優勝者を出さないとダメ。頑張ろう』と声をかけられた。いい選手と回れた。感謝しないといけません」。もちろん、他にも両親や森コーチなど、支え続けた多くの人たちの名前を口にしている。

 「やってきたことが結果として出ました。優勝は、うれしいけど、私の人生は変わりません。もし、これが若い子だったら、すごいと称賛を浴び、スポンサーがつくなど、いろいろな環境が変わるでしょう。だけど、私は素晴らしいスポンサーや、素晴らしい人たちに囲まれています。今までも、これからもやることは変わらない。喜ぶよりも、より気を引き締めて、来週からプレーします。だって、私の立ち位置は変わらないでしょうから」と力を込めた。

 初優勝から2勝目のブランクは、ツアー史上4番目に長い6年350日。ちなみに、LPGA会長・小林浩美は、原の優勝に関して、こんな感想を寄せている。「大きな壁を乗り越えた。次の優勝も近い。そう感じます」。というのも、自身が7年33日、優勝から遠ざかった経験があるからだ。

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