連日のチップインバーディー！ 鬼頭桜がステップアップ初優勝！

　2015年LPGAステップ・アップ・ツアー第9戦『山陰合同銀行 Duoカードレディース』（賞金総額1,500万円、優勝賞金270万円）の最終日が、鳥取県西伯郡の大山平原ゴルフクラブ（6,389ヤード／パー72）で行われた。

　大会最終日は、単独トップからスタートした鬼頭桜が苦しみながらも1打差で逃げ切り、通算7アンダーで、見事ステップ・アップ・ツアー初優勝を飾った。通算6アンダーの2位タイには森岡紋加と松平真佐美が入った。また、3番ホールで中田順子、13番ホールで恒川智会がホールインワンを達成。株式会社山陰合同銀行からそれぞれ賞金20万円が贈られた。（天候:曇り、気温: 28.4℃、風速:2.7メートル）

　「今日もドライバーが荒れ荒れでした。朝から身体が硬くてショットもパットも全然良くなかった。"えっ！"て感じのミスで始まった。カラーの手前から3パットみたいになって…。冷静には出来ていなかったかな」。2番でボギーが先行した鬼頭桜は、その後も「（セカンドショットは）ほとんどラフから打っていた」とショットに苦しむ。8番でボギーを叩き、前半を終えた時点で、逆に1打差で追う立場に…。

　「前半、全然いいプレーが出来なくて、今日はグリーンの目を気にし過ぎていました。我慢して我慢して我慢してって感じで、拾って拾っていきました。前半終わって、自分の中で "もう9ホールしかないから悔いの無いようにやろう！ 絶対優勝する！" って思い直しました」。後半に入って気持ちをリセットした鬼頭は、11番で2.5メートルのバーディーパットを沈めると、「ここで流れが変わった」と15番では残り42ヤードから連日のチップインバーディーを奪い再び首位に並んだ。

　「昨日と一緒のバンカーで、昨日よりアゴに近かった。で、またアゴに当たってラフからの3打目だったんですけど、古屋さんがピタッと寄せてたんで何が何でも絶対パーにしないとと思って、グリーンまで歩測しました。いいフィーリングでは打てたんですけど、まさか入るとは思わなかった」。

　ここで切り替えのスイッチが入り、17番でも1メートルのバーディーパットを沈め、単独首位に返り咲いた。「勝つ人は最後の方でバーディーで伸ばしてくる。今日は最後の4ホールで2バーディーが取れた。4ホールしかないからいろいろ考えられない状況だったんですけど、2バーディー取れて良かった」。苦しみながらも1打差で逃げ切り、ステップアップ初優勝を飾った。

　「昨日、師匠の寺沢範美さんから "明日は明るく頑張って来なさい" って言われたんですけど、後半はうまく切り替えられたと思う。私は入り込み過ぎるクセがあるので、失敗してもそういう状態だと切り替えられないし、 "次のホールに行ったらリセット" って上手く気持ちの切り替えが出来たから、15番で神様がプレゼントをくれたんだなって思った（笑）」。

　昨年のプロデビュー戦から1年。1打差での優勝だが、苦しんで勝ち取った1打差の中には1年分の成長が詰まっているはず。「出るからには全試合上位を目指して頑張りたい」。気持ちの切り替えと爆発力を武器に、レギュラーツアーへ挑む。