3週連続Vがかかるイボミ『チャンスは私、1人』

日本女子プロゴルフ選手権大会 コニカミノルタ杯　パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ（長崎県）

　次から次へとやってくる記録の波。今大会、イボミが優勝を飾るとツアー史上2人目の3週連続Vや、史上2番目のスピードで生涯獲得賞金額5億円突破を果たす。「そういうチャンスがあるのは、私1人だけ。チャンスですね。楽しくプレーします。でも、試合中はそういうことは全く考えない」という。好調を支えるのは、類まれな集中力だ。試合がスタートすれば、目の前の1打にフォーカス。これがミラクルプレーを生み出す。とはいえ、優勝は想像以上のエネルギーを消耗する。加えて、「風が強い上に、特にグリーンの傾斜が難しい。ドライバーショットの調子もよくないし、とにかく、頭が疲れている」と静かに悲鳴をあげていた。

　ただし、今回に限らず、開幕前は常に不安を口にする。これは、一流のアスリートに共通の特徴だ。だからこそ、細心の注意を払う。移動日の7日は、疲労回復のトレーニングを兼ねて、渡邉トレーナーとともに、ウォーキングでコースチェックを行った。目標はただひとつ。あれもこれもと欲張らない。賞金女王のタイトルを獲得するだけだ。「テレサ(ルー)が平均ストローク60台になったことも刺激になることは確か。だけど、わたしは今、そういうことは考えません。賞金女王だけ。シーズンが終わるまで全力で行きます」。強い信念がスーパープレーを生み出す源だった。