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2017.7.16

狙い撃ちのキムヘリム 『人生最良の日』

<Photo:Masterpress/Getty Images>

2017年LPGAツアー第19戦『サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)大会最終日が7月16日、茨城県稲敷郡阿見町・イーグルポイントゴルフクラブ(6,667ヤード、パー72)で行われ、キムヘリムが日本ツアー初参戦Vを飾った。この日も5バーディー、ノーボギーの67。通算11アンダーの独走劇だった。4打差の2位タイは、ユンチェヨン、岩橋里衣。(天候:晴れ 気温:32.7℃ 風速:1.5m/s)

 狙って勝った。キムヘリムは、「今までの人生で、一番うれしい日になりました」と満面の笑みをたたえた。優勝を確信したのは、14番。残り130ヤードの第2打を7Iで、4メートルにつけた。「とても難しいホール。14番でバーディーをとれたから、優勝を確信しました」という。とはいえ、まるでホームコースといえるような戦いぶりだ。緊張した素振りなど全くなかった。2番で7メートルのバーディーを決めると、続く3番でもバーディーを。

 「今日はティーショットがとてもいい。フェアウェイをキープできたから、セカンドショットがとても楽。唯一のピンチは8番。バンカーにつかまって、パーオンできなかったけど、うまくパーセーブができた」と振り返っている。というのは、しっかりと準備をした賜物だ。1戦必勝の準備をはじめたのは、推薦出場が内定した4月だったという。「全米女子オープンの出場資格があった。でも、日本ツアーでプレーすることが自分にとって優先事項。同週に全米女子オープンがあるから、(日本ツアーの)トップ選手はそちらへ遠征するはず。だから、優勝するチャンスはかなりある、と予想していました」。

 コースの情報などを収集して、この日を待つ。前週は、試合を休んで、「アプローチの特訓など、最終調整をして今大会に臨みました」と打ち明ける。さて、前日も「優勝して、日本ツアーの会員になりたい」。今季は、韓国ツアーで賞金ランキング2位につけており、「賞金女王を目指す。だから、日本は公式戦など、数試合に出場することになると思う。しかし、来年は確定ではないけど、私の希望はフル参戦したいです」と宣言した。

 2007年、高校3年在学時にプロへ転向。ところが、ゴルフを始めたのは中学3年と、韓国ではかなり遅いスタートだった。というわけで、アマチュア時代はこれといった実績がなし。トッププロになったのもここ数年だ。「レギュラーツアーと、下部ツアーをいったりきたり。エリートではありません」。努力を積み重ねて這い上がってきた。

 プロ転向から、両親のすすめでチャリティー活動を行うように。「最初はボランティアなどです。その後、賞金を稼げるようになってから、その10パーセントをチャリティーしている。日本円でいうと、金額は全部で、3000万円ぐらい。1億円をチャリティーすることも目標のひとつです」と感謝を忘れない。

 ちなみに、この日はあこがれだった上田桃子と、最終組でプレーできたことも人生最良の日の要因だ。「ものすごいカリスマを感じる。ますます好きになりました。韓国では日本ツアーのテレビ中継があるから、それをみてファンに……。尊敬しています」と瞳を輝かせた。

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