2019.4.7
Day 4 プラスワン テック~原田香里
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)最終日
勝負はシナリオが存在しない。改めて痛感。それにしても、名勝負でした。成田美寿々さんの素晴らしいプレーの感動に浸っています。
最終日、最終組でスタート。4打差を逆転するには、先手必勝です。序盤から相手へプレッシャーをかけていくことが、セオリー。このスタイルを最も得意としています。1番から積極策でバーディー発進。12番でアンソンジュ選手をとらえました。その後、17番で並ばれたものの、極め付きは、18番の第2打でしょう。5Wのパーフェクトショットで2オンに成功。度胸満点です。これならゴルフの神さまがほほ笑むでしょう。この日、大いに感心させられたのは、定石通りのコースマネジメントをしたことです。難攻不落の葛城を攻略するためには、「手前から」。グリーン上でも謙虚に「2パット、2パット」と心に言い聞かせて、3パットはなかった。勝つべくして勝ったといえるかもしれません。
一方で、前週から、1Wをより飛距離が出るものにチェンジしたとうかがいました。4日間のドライビングディスタンスの平均は、258.88ヤード。強いボールで、アゲンストの風にも影響されにくい、曲がりが少なかったことも、印象に残ります。もちろん、アイアンショットも良かった。体の回転スピードが一定で、見ていてスイングによどみがない。精密機械のようでした。
私もツアーで葛城をプレーした経験はあります。名匠・井上誠一先生のデザインしたコースは、バンカー、池の配置、グリーンのアンジュレーション、フェアウェイの地形など、景観が絵画のように感じられます。ただし、選手の心理としては、1ホールも気が休まることがなかった。敗れたとはいえ、アンソンジュさんの健闘にも拍手を送ります。ボギーがとにかく、少ない。4日間で5ボギーは出場選手の中で最も少なかった。最終日の内容も、悪くはありません。17番のバーディー奪取は、気迫があふれていましたから。
今季、LPGAツアーは5試合を消化。百花繚乱のシーズンは、これからもっとおもしろくなります。
(原田 香里=担当理事)