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2020.6.29

1Wの渡邉彩香 5年ぶり激闘V

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

 月曜決戦、渡邉彩香がPOで復活V。2020-21年JLPGAツアー第1戦、『アース・モンダミンカップ』(賞金総額2億4,000万円 優勝賞金4,320万円)大会最終日が6月29日、千葉県袖ヶ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6622ヤード/パー72)で行われた。通算11アンダーで首位に並んだ渡邉彩香、鈴木愛がプレーオフへ。1ホール目、渡邉がバーディーを奪い、5年ぶりのツアー優勝を飾った。首位スタートの田中瑞希は通算3位タイ。(天候:晴れ時々曇り 気温:28.1℃ 風速:2.0m/s)

 原点回帰。73ホールのプレーに迷いはなかった。月曜決戦、渡邉彩香はルーキーのようなさわやかな表情。ただ、18番で行われたプレーオフ、4メートルのバーディーチャンスだけは、一気に全身が引き締まった。

 「プレーオフは初の経験です。第1日から優勝など、成績を意識していたわけではなかった。でも、あの時、はじめて優勝したい…。下りのスライスです。一番好きなライン。第3打で、(下りのスライスラインに)につけられるように狙ったけど、ちょっと距離が残ってしまった」という。

 とはいえ、好きこそものの上手なれ-である。ボールはきれいにカップイン。「うれしいです」と言葉を絞りだし、「もう、勝てないと思った時があったから」と、5年ぶりのツアー優勝をかみしめた。最終日もショットは好調。ジッとその時を待っていたかのように、終盤の追い上げが見事だった。

 15番、アプローチのミスでこの日、初のボギーを叩く。しかし、バウンスバックが現在、ツアープレーヤーのトレンドだ。16番で2メートルのバーディーを奪取。さらに、17番でもピン奥4メートルのバーディーパットを決め、首位に並んだ。ライブ配信でお気づきの方もいらっしゃっただろう。左手にグローブを着用したまま、パッティングを行っている。

 「去年のQTからです。当時、左手にテーピングをしていた。毎回、グローブを外すとはがれたり、ずれたりすることがイヤ。だから、そのままストロークしたことが最初でした。違和感がなかったし、今年もそのままのスタイルで行くことにした」そうだ。小さな改良を加えながら、今季のシーズンへ。

 ここ2シーズン、負のスパイラルに苦しんでいる。リオデジャネイロオリンピック日本代表を逃し、東京オリンピックへ賭けていた。さらなる高みを目指す。「持ち球のフェードの曲げ幅を縮小し、ストレートのようなボールを打つ。スイングを改造したら、出てくるのは迷いばかり。私の持ち味は1Wです。にもかかわらず、気持ち良く1Wが振れない。去年の夏は、試合でキャディーバッグへ1Wを入れずにプレーした」と、スランプの要因を語った。

 試行錯誤が続く。ところが、悩み抜いた末、結論はフェードで勝負と決めた。「1Wをやり直しです。覚悟を決めた。フェードを極める誓いを立て、レベルを上げていこうと…。結果が出なくても、(ゴルフを)やめようとは思わなかったけど、家族に八つ当たりしたことがあった。今日の優勝は、たくさんの皆さんのおかげですけど、特に家族へありがとう、といいたいです」。

 当然ながら不振を抱いた、もの言わぬ1Wへ感謝を込めた。「クラブが気持ち良く振れた。もし、私から1Wをとったら、何が残るか」。ツアー屈指の飛距離自慢が、自戒の念を込めながら復活を宣言した。

(メディア管理部・中山 亜子)

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