賞金500万円獲得　藤田さいき－夢の17番

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

40th フジサンケイレディスクラシック　川奈ホテルゴルフコース 富士コース（静岡県）第1日

　たったひと振りで、人生が変わる。ゴルフの魅力、魔力だ。藤田さいきが、賞金500万円のかかった17番でホールインワンを達成。コースに歓声と、どよめきがこだました。

　6Iの第1打は、ちょっと右へ。その後、風に戻されグリーンへ落下。ボールはカップへ向けて転がり、そして消えた。

　「ボールが消えた時は、見ていました。その時、すごい歓声があがり、もしボールがカップへ入っていなかったらどうしよう。はしゃぎすぎない。そう言い聞かせながら、歩いて行った」と、改めて振り返った興奮のためか、少し早口で解説。

　続けて、「私はドローヒッターです。風で流されてフェードになった。夢で見た時と同じでした」と、加える。04年から今大会へ連続出場。優勝とともに、17番のエース達成は川奈の女王の証明だった。そんな意気込みが、夢に現れる。「13年、いや14年だったかなぁ。下川(めぐみ)さんが今大会でホールインワンを達成した後です。よほど、インパクトが強かったからでしょう。夢では5I。今回と同じようなフェードになって、手前からスーッと今回のピンポジションよりも、ちょっと手前でした。夢とはいえ、具体的に覚えているのはいつか…。そんな思いが強かった証かもしれませんね」という。

＜Photo：大会提供＞

　JLPGAツアーでは07年の日本女子オープンで、最初にエース達成から通算6度目。最多タイ記録に並んだ。プロ、アマを問わずホールインワンはゴルファーの夢。しかも、練習ラウンドなどのプライベートを加えれば、「通算で12、13回。最初はクラブを握って半年の時です。実は今年のオフも練習で入った。また、あるのかなぁ。そんなふうに感じていた。でも、あこがれの川奈で達成できるなんて…。夢の内容をリアルに覚えているぐらいですから私、本当にゴルフが好きだ、と思っています」。

　もうひとつ、自身とエース達成には、奇妙なジンクスがあった。試合で快挙を達成は3シーズンに1度。3年周期なのだ。「(最多記録更新は)2025年に期待しましょう。それよりも、ホールインワンが達成できたのですから運がいい証拠。残り2日間、この強運を逃さないようにいきたい。川奈では優勝争いが1度か、2度かなぁ。また、私は前回の優勝から11年も遠ざかっている。エースとは別に、ウイニングパットの夢も見ているし、まだまだあきらめるのは早い」。

　お福分けとばかりに、楽しいエピソードを数々披露した。ベテランの存在感を示す、素晴らしい1日。みんなを笑顔にした－17番の奇跡である。