2022.10.29
18番で超高難度の技 菅沼菜々-ギャラリーへ感謝
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)第2日
千客万来に感謝-とばかりに最終18番で、菅沼菜々が離れ業を披露した。グリーン右上から、7ヤードを56度でチップイン。どよめきが起こる。「パターで行こうかなぁと思ったけど、11番でチップイン(グリーン左横10ヤードから56度を使用)をしている。もう一度あるかもしれない。それでアプローチを選択した」という。
前日とは一転し、風と難しいピンポジションで、スコアを落とす選手が多かった。にもかかわらず68をマーク。テクニシャンの本領発揮となった。「けさ、ピン位置を確認し、傾斜にカップが切っているところが多い。ちゃんと考えていかなければ…」と、自身へ言い聞かせている。それだけに、「3パットしそうなところもあったけど、耐えられました。良かったなぁ」。ホッと胸をなでおろす。
前週、今季4回目の予選落ちを喫した。「練習へ行こうとも思ったけど2日間、休養に充てることに…。しっかり睡眠をとった。おかげで連戦の疲れがすっかりとれた気がします」とプラスへ転換。一方で、好調時のスイングを見直し、今回は微調整を施した。
「いい時と比較し、スイングのトップからクラブがクロス気味に入っていた。クロスに入ると、私は手打ちになってしまう。そのあたりを注意した」と説明。おかげで、「1Wの感触はすごく良かったです」と振り返った。
加えて、この日は畑岡奈紗と同組。「ジュニアの頃、試合でご一緒させていただきました。そんなお話をして…。それよりも、畑岡さんと同じ1W使っている。うれしかったなぁ」と意外な共通点に笑顔をのぞかせている。
今大会は自宅からの通勤。とてもリラックスしている。さらに、「大勢のギャラリーの皆さんの声援がありがたい。しかも、(自身の名前が入った)タオルを持参してくださった方がたくさんいらっしゃった。私、応援してくださると力がわいてきます。うふふ…」。
高難度の技を後押ししたのは、声援の賜物。選手を育てるのはコースといわれているが、ギャラリーの熱視線もまた、必要不可欠だった。それだけに、勢いに乗ってツアー初Vとなれば、大団円に。最終日の優勝争いが、ますます楽しみになった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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