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2022.11.24

ティンパースタンド ギャラリーへお披露目

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第1日

 大迫力。スタート1番、最終18番へ設置された木製スタンドがギャラリーに好評だ。傾斜37度。目前へ広がるコースが、パノラマのように見渡される。座るだけで、かつてありそうでなかった光景に驚かされた。

 JLPGAはこれまでも、ゴルフを通じたSDGs推進活動を行ってきたが今大会、従来の金属製に代わって、木製スタンドを設置。宮崎県は31年連続、国産スギの生産量が日本一で、資源循環はもちろん、環境にもやさしい。今回は宮崎県、株式会社リコー、宮崎ゴルフ株式会社、耳川広域森林組合、JLPGAの五社協定で実現した。

 特に18番は印象的だ。グリーン奥のスタンドからプレーを拝見。第2打の飛球線が目に飛び込んできた。プロの迫力、技が一目瞭然だ。また、JLPGAブライトナー・吉田優利が、「金属製では、ギャラリーの方々が歩く音が響いてしまう。でも、今回は木が音を吸収する。木製スタンドの景観がいい。選手にとってもいいことばかりです」と、うれしそうに話した。

 何か、新しいギャラリーサービスと、宮崎をもっとアピールできないか-。発案し、企画、施工まで行ったのは吉本工芸・吉本有宏さんだった。3年前、友人の山師・西田敏行さんと一緒にあたためてきたプラン。「試行錯誤しながら、形にするために努力を重ねた。建てた私がいうのも僭越ですけど、壮観で最高のギャラリーサービスができたと思います」と言葉を弾ませた。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 名称は、ひむかティンパースタンド。プレカット工法を駆使し、製作した。背面から眺めると気が付くのは、レゴのようにブロックを積むようになっている。しかも、耐震性に優れているのだから安全面でも十分に配慮。

 しかも、「金属よりも木製ですから長さなどが自在に調整できる。PCを利用して材木を同じサイズに削り、はめ込むだけ。安定感も抜群でしょう」という逸品だ。もちろん、撤去が簡単で、再利用が可能。来シーズンの各トーナメントでも活躍しそうな予感がした。早くも、23年日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯でも活用する計画がある。

 今大会2勝をあげている申ジエが、「ゴルフは自然のなかでプレーするスポーツ。自然の材料でつくられたスタンドは、とてもきれい。それに、日本は木製の建築技術が高い。改めてそのことを痛感しました」と絶賛。

 ただひとつ、残念なことは、吉本さんとともに尽力した西田さんが先月、病気で急逝。晴れのスタンドを見ることができなかったことだろう。「座ってほしかったなぁ」。吉本さんは快晴の空を見上げた。

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