2023.3.24
今季初のボギーフリーは“シン吉田優利”の証明か?
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第4戦『アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 2023』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)が3月24日、宮崎県宮崎市・UMKカントリークラブ(6,565ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日は稀に見る混戦状態にー。5アンダーで川﨑春花、藤田さいき、吉田優利、山内日菜子、若林舞衣子の5人が首位タイに並んだ。1打差の6位タイグループには、山下美夢有、小祝さくら、濱田茉優、小倉彩愛、竹田麗央、内田ことこの6人がつけた。
(天候:晴れ 気温:24.8℃ 風速:4.0m/s)
《グリーン=スティンプ:10フィート コンパクション:24.5mm》
5アンダーの首位タイに並んだ5人の一人、吉田優利が今季初のノーボギーラウンドに満面の笑みを浮かべた。
「久しぶりのボギーフリーだったので嬉しいです」と開口一番に語った吉田。昨シーズンは未勝利に終わりながらもメルセデスランキングで6位につけたが、それは2位5回を含む19回のトップテン入りがあったからだ。それだけ安定したゴルフをしていたわけだが、裏を返せば勝ち切れなかったとも言える。
「昨年を振り返ったとき、ボギーがなければ優勝できていた試合があったなと。それだけに、今年は次のステップにいくためにもボギーフリーを目指していたんです」。
どうしてもボギーを叩くと試合の流れが変わることが少なくない。それが大事な場面となればなおさらだ。そこで、今季はボギーを叩かないゴルフを第一目標とした。ただ、昨年までの吉田はボギーフリーを意識することがなかったという。アマチュア時代からアグレッシブなゴルフを身上としていたこともあり、積極的にピンをどんどん狙っていたのだ。しかし、今季はその気持ちを封印。今大会のように、雨でグリーンが軟らかくなっていても、あえてピンを狙わずにグリーンをとらえることを第一に考えた。
ところが、いきなりピンチが訪れる。5番パー4だ。2打目をわずかにグリーン左に外してしまう。ピンに向かって下っていたため、本来ならフワッと上げるアプローチで攻めたいところだが、運悪くボールがあった場所は選手が次のホールへ行く通り道だった。そのため芝がペタッと寝た状態になり、ボールを上げることが難しいライから打たなければいけない。
「ボールを上げるのをあきらめ、転がしたんですが、落ちた場所が悪く、イメージ以上に転がってしまいました」と吉田。あわやチップインしそうだったが、カップに蹴られたことで逆に勢いがつき、15ヤードほどオーバー。長いパーパットを残す大ピンチに。しかし、この日一番の集中力でそれを沈めてボギー回避に成功した。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
スタートの1番パー5では、ピンまで残り80ヤードからの3打目をピン手前50センチにつけてバーディを奪っていただけに、いい流れを絶やさない意味でも大きなパーセーブだったと吉田自身も振り返る。
「今日のゴルフは80点以上です」と、高得点をつけた吉田。残り2日間あるが、当然優勝を狙いにいく。「伸ばし合いになると思うので最低60台は出していきたいです」とビッグスコアを出したい気持ちは強い。そのためにもボギーを叩くつもりはないが、新しく変わった自分を証明するためにも勝負強さを見せておきたいところだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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