2023.4.22
トップ合格ルーキーの神谷そらが単独首位に!
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第8戦『41st フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円/優勝賞金1,440万円)大会第2日が4月22日、静岡県伊東市・川奈ホテルゴルフコース富士コース(6,457ヤード/パー71)で行われた。この日68をマークし、通算6アンダーで単独首位に立ったのはルーキーの神谷そら。1打差の2位にはディフェンディングチャンピオンの高橋彩華。首位と3打差の3位タイに新垣比菜、岩井千怜、後藤未有の3人がつけている。
(天候:曇り 気温:14.0℃ 風速:1.0m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:24mm》
大会第2日ながら、昨年の最終プロテストでトップ合格を果たした20歳の神谷そらが、プロ初のトーナメントリーダーに立った。
「昨日よりもバーディーチャンスにつく回数が少なかったんですが、それらを決められたことが良かったと思います」。2番パー4で3パットのボギーを叩いたものの、その後は3つあるパー5全てでバーディーを奪うなど、着実にアンダーパーを重ね、通算6アンダーまでスコアを伸ばした。
しかし、ハイライトは17番パー3のパーセーブだろう。ティーショットからグリーンまでは軽い打ち上げだが、グリーンに届かなければ、7メートル以上の段差が待つ谷底までボールが落ちてしまう。今大会だけでなく男子ツアーの「フジサンケイクラシック」でも幾度となくドラマを生んできた難ホールだ。
この日はピンまで180ヤードあったが、神谷はティーショットに7番アイアンを選択。ところが、ボールはグリーンまで届かず、最も避けたかった谷へ落ちていく。「高低差は分かりませんが、グリーン面は全然見えませんでした」。ボールからピンまで25ヤードという距離感だけを頼りに58度のウェッジで打つと、スピンが効いたボールをピンの約50センチ上に止まる。「ちょっと強かったかなと思いましたが、山をのぼった後に自分で見てビックリしました」と本人も驚くほどのナイスアプローチだ。続く18番パー4もパーで納め、上がり3ホールを1アンダーでまとめた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
QTランキング7位で臨んだ今季は7試合に出場したものの、予選落ちが4回と本来の力を思うように発揮できずにいた。ショットもパッティングも調子は悪くなかったが、かみ合わせがよくなかったのが原因だ。さらに、予選落ちが続いたことで自信を失っていたことがマイナスに働いた。本来は、持ち味であるドライバーの飛距離を武器にガンガン攻めていくのがプレースタイルだが、ミスを避けて安全に攻めようとした結果、スコアを伸ばすことができなくなっていた。
そんな神谷を見かねてか、ジュニア時代に通っていたスクールのコーチから「ショットは悪くない。あとは心だよ」と、今回キャディーを務めているツアープロキャディーの照井浩二氏からは、「もっと自信を持つように」とアドバイスされた。
トップ合格とはいえ、何もかもが初めてのルーキーにとっては心強い言葉だったのは間違いない。特に、照井氏はベテランであり、今年の「明治安田生命レディスヨコハマゴルフトーナメント」では、吉本ひかるのキャディーを務め、彼女のツアー初優勝を共に喜んだ実績を持つ。
最終日はプレッシャーとの闘いにもなるが、「セカンドショットをつける位置を大事にしていきたいと思います」と、具体的な攻め方は抱いている。同い年の川﨑春花、尾関彩美悠には先にツアー優勝を飾られただけに、このチャンスを逃したくないところだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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