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2023.8.27

菊地絵理香が大逆転 POで2度目のホームV

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第25戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が8月27日、北海道小樽市・小樽カントリー倶楽部(6,695ヤード/パー72)でファイナルラウンドがスタートした。競技は雷雲接近で10時26分、中断。天候回復が見込めないことから13時00分、中止が決定。
 その後、第3R終了時、通算9アンダーの首位タイ、菊地絵理香、申ジエ、岩井明愛のプレーオフがパー3・17番で行われ1ホール目、菊地絵理香が優勝を飾った。ツアー通算6勝目を昨年に続き、地元北海道でホームV。
(天候:雷雨 気温:26.3℃ 風速:3.0m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23mm》

 一発大逆転のプレーオフ。菊地絵理香のパーパットは、勝利の弧を描きながらカップインした。「あのパーパットだけは、しっかり手が動いた。カップへ入った瞬間、どうなったかよくわからない。あっさり、終わって、これでいいのかなぁ」。とても不思議な感覚だった。

 とにかく、今大会は第1日から従来、体験したことがない異例のことばかり。午前8時10分、最終組でスタートした。前日から荒天が予想され、第1組は午前6時30分にティーオフしている。

 「雷雨の予報が出ていたけど、無事にスタートできたし、8番を終わってこれなら(18ホールのプレーは)大丈夫と勝手に思い込んでいた。続く前半最後の9番、1メートルのバーディーチャンスにつけたところで、競技中断です。8番で首位から2打差だったから、イケるのでは-手応えがあった」とひと息入れて、「プレーオフは苦手。絶対、やりたくなかったから」と苦笑した。

 5時間近くクラブハウスで待機。最終ラウンドが中止になり、第3ラウンドの成績でプレーオフが行われることが決定した。相手は同組の申ジエ、岩井明愛。「ティーイングエリアへ立つと、体がスムーズに動かない。今回も厳しいなぁ」と、表情にはあらわさなかったものの、過去4戦全敗のプレーオフ実績が脳裏に浮かんだ。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 とはいえ、このまま敗れるわけにはいかない。意外な行動に出た。「私は3人で争うプレーオフが多い。また、3人かぁと思ったから、黙って送迎カートの一番前に乗った。これは初めて。何かを変えなくてはいけないでしょう」と説明。そうして17番へ臨んだものの、6Uを選択した第1打は緊張で筋肉の動きが悪く、グリーンへ届かない。続く、残り22ヤードの第2打も、「まったく感覚がなかった」と打ち明ける。それでも、アプローチは得意。カップから2メートルに寄せていた。この時点で圧倒的なアドバンテージを握ったのは申。

 だが、ピン奥から一気に勝負を決めようとしたバーディートライを失敗。2メートル以上のパーセーブが残り、それも沈められなかった。22年大東建託・いい部屋ネットレディス以来、13カ月ぶりのツアー優勝を、またも地元で。しかも「どうしても勝ちたかった」と念じた小樽カントリー俱楽部で達成した。

 通常のルーティンでは大会期間中、必ずウェアを白と黒と決めている。だが、今大会はニトリカラーのグリーンをチョイス。もうひとつ、「去年、引っ越しをして自宅の家具は、すべてニトリさんなんです」と、うれしそうに告白する。

 次週はオープンウィークに充て、再調整。日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯から秋シーズンをスタートの計画だ。「優勝をして、自信がつくタイプではありません。どちらかというと、ホッとひと息つくから年間、2勝や3勝の複数回Vができない。勝ちたい、ではなく、勝ちに行く。私にはこれが欠けていた。今回はラッキーが多かったけど、また優勝します。目標を言葉にすることも大切」。とても歯切れがよいトークに、凝縮された冷静さ、思考の優美さが宿っていた。まさに、お値段以上に価値がある優勝-。

(青木 政司)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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