2023.11.26
感謝・収穫 申ジエ-パリを目指す
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)最終日
今年もタイトルはお預けだった。とはいえ、申ジエは持ち前のプロフェッショナル精神を随所でアピール。2024年シーズンの再チャレンジを誓った。
23年のラストプレーは3メートルのパーセーブ。やさしくはない。「あのパッティングは、皆さんへの最後のごあいさつ。絶対にはずしてはいけない。弱気はダメです。すごく集中した」。優勝、年間女王のタイトルにも手が届く状況ではない。それでも、気落ちするどころか、闘志を燃やした。このパッティングを決めることこそ、私のプライド-ともいう表情で。
ジャストタッチではなく、ストロークは強く。「ボールがカップの土手に当たり、一度跳ね上がった。良かったです。いいあいさつが、皆さんにできました」とほほ笑んだ。
最終日、6打差で首位を行く山下美夢有を追いかける。「第1日、第2日の2日間、山下さんと同組でプレー。ショットの安定感がすごい。正直なことを申し上げると、逆転は難しいと思った。加えて、強風でも吹けば私にもチャンスがあるかもしれない。でも、きょうは穏やかでドラマがつくれる状況では・・・」と言葉を区切り、「父と電話で話した。その時、結果ではない。いかに最終日は申ジエらしいプレーができるか。私は楽しみにしているから、と激励された。なぜか、そのひとことで肩の荷が下りて、きょうはファンの皆さんへ感謝を伝える一日にしよう。プレーでごあいさつをすることに決めました」。
ハイライトはパー5・13番。残り240ヤードの第2打を果敢に攻めた。しかも、ピン1.5メートルへ。楽々とイーグル奪取で面目躍如の溜飲を下げた。元世界ランク1位の意地を披露。「来年はオリンピックがある。今年、また世界ランキングがあがってきた。私も一度ぐらい、オリンピックへ出場したい。チャンスだと思います。しっかりポイントを稼ぎたい」と、おそらくラストチャンスになるであろう、24年の大目標を掲げた。
もし、それが実現できれば再び、年間女王も視野へ入ってくる。88年生まれの年女は、またもや伝説を-。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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