2024.5.3
声援の力-菅沼菜々10メートルの離れ業
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン・第10戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)は今季初の公式競技。5月3日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 東コース(6,665ヤード/パー72)で大会第2日が行われた。この日も多くのファン、家族連れが来場。1万1721人と、今季最高の観客動員を記録した。菅沼菜々が復調急を猛烈アピール。通算6アンダーで首位に立った。1打差の通算5アンダー、2位タイにペソンウ、佐久間朱莉、イイェウォンがつけている。
(天候:晴れ 気温:22.4℃ 風速:2.9m/s)
《グリーン=スティンプ:14 1/2フィート コンパクション:25mm》
菅沼菜々、18番のバーディートライは、10メートルのパッティングだった。コースを取り囲んだ大ギャラリーが息を飲む静寂。しかし、カップインの瞬間、まるでコンサート会場のようなどよめきが起こり、大歓声が響いた。
「入るとは思っていない。ストロークしたときは、ちょっと強い。ヤバい」と、直感が知らせたが、ギャラリーの声援が後押しするように、ボールが吸い込まれる。これぞ、応援の力だろう。今季のベストスコア67をマークして、首位でホールアウト。
「昨日も今日も、たくさんのギャラリーの皆さんが帯同してくださって、とても幸せです。ありがたい。おかげさまで、予選をクリアできました」と、控えめな口調で感謝を伝えた。
この日は14位タイからのスタート。スコアが動いたのは5番だ。何と3パットのボギーが先行する。「きのうはノーボギー。どこかでボギーを叩くとは思っていたけど、まさか私が得意なパッティングで来るとは・・・。いい意味でスイッチが入った」と、起爆剤に変えたことが、上昇へ転じたターニングポイント。その後、7、8番で各5メートルのバーディーを奪取した。
後半へ入ると、パーオンを狙うショットの切れ味が増す。10番は残り173ヤードの第2打を1メートル。14番=ピン手前3メートル、15番=ピン奥1.5メートルへ運び、バーディーチャンスをモノにした。「速くて、きれいなグリーンが好き。ラインの読みとタッチがぴったりあう」と、話した。まさに、好きこそものの上手なれ-だろう。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
前日、ホールアウト後、今季の不調について語った。「オフの間、テレビ出演をしたり、遊んでいたから・・・。そんな声もあって、成績が良くなってからお話をするつもりでいました。ただ、不調の時も、怠けていたわけではありません」。それが、実証された第2日だ。
とはいえ、復調に関しては、「まだ、100パーセントじゃない。安心できません。今、60パーセント程度だし、もっと良くなる」と、ボルテージが上がった。続けて、「予選落ちが続いた時は、どんどん抜かされていくと、日曜日は辛かった。気にしても仕方がないけど、プレーができないことが悔しくて」と、手放しで喜ぶことはなし。
「あす、あさってとプレーができることが、すごくありがたい。多くの方が見てくださると燃えます。いいプレーをお届けしたい」と姿勢を正して、宣言した。菅沼版・ゴールデンウィークは佳境へ。大団円を迎えるか、ムービングデーがカギを握る。
(青木 政司)
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