2024.8.10
3位T・山下美夢有-ムービングデーに躍動
<Photo:Kevin C.Cox/Getty Images>
パリオリンピック・ゴルフ女子第3Rが9日、ル・ゴルフ・ナショナル(6,374ヤード/パー72)が行われ、山下美夢有が急上昇。首位に2打差の3位タイで最終日を迎える。
通常のトーナメントより、一日早いムービングデー。山下美夢有は静かな闘志を秘め、第3日へ臨んだ。精密機械のようなショットはますます精度を増した。
しかし、パー5の最終18番、第1打は右のラフへ。無理をせず、前日同様にレイアップを選択した。第3打で勝負。残り91ヤードから、ピン2.5メートルにつける。集中力を最大に高め、バーディーフィニッシュを決めた。
「絶対、決めたいパッティングを決めることができた」と満足そうな表情。ただし、笑顔をのぞかせることはなかった。言葉にこそしなかったものの、目指すのは金メダル。およそ、8カ月前、口にしている。
スタートから2ホール。それぞれ、この人ならバーディーチャンスといえるものだった。しかし、1番は15センチのショート。2番がカップに蹴られ、パーセーブだった。それだけに、パー5の3番は流れを引き寄せるためにもバーディーが欲しい。
第1打をフェアウェイ左サイドへ。残り218ヤードの第2打で2オンに成功する。イーグルこそ逃したものの、楽々と初バーディー。一気に上位へ迫りたいところだったが、この日は強い風が吹き、各選手とも思うようにスコアを伸ばせない。
持ち前の忍耐で、ジッとその時を待った様子だが前半、1バーディーで折り返した。「勝負はバック9」と言い聞かせ、10番へ。残り96ヤードの第2打をピン1メートルへ素晴らしいショットを披露した。バーディー奪取で勢いをつける。小さなピンチをしのぎながら、ボギーを叩かない。これが私のプレースタイル-といわんばかりに。
<Photo:Kevin C.Cox/Getty Images>
前日同様、一気に流れをつかんだのは15番。ピン手前7メートルのバーディーパットをカップへねじ込んだ。17番も強気のバーディートライだったが、カップ左をかすめる惜しい内容。そのモヤモヤを18番で晴らしたムービング・フライデーである。
「(日本から)たくさんのパワーをいただいている。最後まで1打でもスコアを伸ばしたかった。ノーボギーのラウンドはすごくいい。とてもショットが安定している。その中で一番はフェアウェイキープでしょう。最終日もいい順位で終わりたい」と、あえてメダルには触れなかった。
結果はあす-。これほど頼もしい姿はJLPGAツアーでも見たことがない。150センチ。小さな体に大きな期待を背負い、熱視線が注がれる。これぞ、プロ冥利。史上最大の決戦へ向かう。
笹生優花は4バーディー、4ボギーの内容。「風が強く、難しい状況でも、前2日よりアジャストすることができた」と振り返った。通算7オーバー、42位タイから、どこまで順位を上げられるか。
混戦ムードの第3日。首位タイは通算9アンダー、モーガン・メトロー(スイス)、リディア・コ(ニュージーランド)が並んだ。2打差の通算7アンダー、3位タイに山下美夢有、ローズ・チャン(米国)がつけている。
<Photo:Andrew Redington/Getty Images>
【主な成績】
1T(-9)モーガン・メトロー、リディア・コ
3T(-7)山下美夢有、ローズ・チャン
7T(-3)ネリー・コルダ、セリーヌ・ブティエ
42T(+7)笹生優花
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