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2024.9.15

木下彩-まとめてレコード更新 圧巻のV

<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第12戦『山陽新聞レディースカップ』(賞金総額3,000万円、優勝賞金540万円)大会最終日が9月15日、岡山県玉野市・東児が丘マリンヒルズゴルフクラブ(6,359ヤード/パー72)で行われ、木下彩が通算20アンダーで圧勝。54H最少ストローク、18H最少ストローク、1R最多バーディー12など、ステップレコードを更新した。7打差の通算13アンダー、2位に権藤可恋、篠崎愛、千葉華が入った。
(天候:曇り時々晴れ 気温:30.3℃ 風速:6.4m/s)

 ドキドキするような展開。木下彩はライバルではなくコースと、自身へ挑戦した。18番のバーディートライ。カップインすれば、歴史的な大仕事をすることになる。当然、狙っていた。5メートル。ボールはカップへ向かったが、惜しくもバーディーはならなかった。

 当人はもちろんのこと、多くのギャラリーや、その場に居合わせた全員からハーッという大きなため息が漏れる。ちょっとなかった印象的なシーンだ。「50台のスコアを狙っていた。それにしても、残念というか、もったいない。第1打からすごく飛距離が出ていた。アドレナリンが全開-という感じでしたから」。

 今大会、第2日まで誰が優勝するのかわからない大混戦の展開だった。しかし、最終日は1番から快進撃。みるみるうちにライバルたちに差をつけた。「1Wはいまひとつの感触。でも、アイアンショットの切れ味がすごい。同様にパッティングまですごかった。きょうは、アイアンショット90%、パッティング80%、1Wは50%ぐらい。なかなか、すべて100%とはいきませんね」と、猛チャージを振り返る。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 カギを握ったのは11番。「きょうは何も考えない。前の試合では最終日、最終組で負けている。疲れがたまって、それほど調子がいいとはいえなかったし、もうひとりの私をつくって、冷静に判断した」とひと息ついて、「11番の第1打が苦手で案の定、ボールがラフへ…。しかし、第2打でグリーンをとらえて、10メートルのバーディーが入った。ストレートラインで、思い切っていきましたよ」と、頷きながらプレー同様、冷静なコメントだ。

 前日、吉兆があった。ドライビングディスタンス賞を獲得。さらに開幕前には、親しい渋野日向子のお母さんから、シャインマスカットの差し入れが。「本当に岡山のマスカットはおいしい。力をいただいた。また、賞をいただいたスポンサーさまにも感謝をいたします」と、言葉を添えた。

 19年、中国新聞ちゅーピーレディース以来の優勝。「5年といえば、すごく長いけど、私はそれほどとは感じない。コロナ禍もあったからかなぁ。山口出身だけど、岡山はたくさんの方が応援してくださる。ありがたかったし、期待に応えることができた」と深々と頭を下げた。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 次週は初Vの大会で2週連続Vを目指す。また、ステップの賞金ランキングで1位に躍進。「このまま1位をキープ。25年のJLPGAツアー前半戦の出場権を獲得したい。QTへ行きたくはありませんからね」と話した。

 23年には予選を勝ち上がり、ペブルビーチGLで開催された全米女子オープンでメジャー初挑戦。13位タイと健闘した実績もある。「次週ですか…。もう出場できるだけで十分です。だって、ゴルフって次の日になれば変わってしまうから」。3つのステップレコードを塗り替えても、この落ち着きようだ。そういえば、すごいことをする黄金世代だった-ことを思い出した。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

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