2021.10.24
兵庫へ凱旋V 古江彩佳2週連続の激勝
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第47戦『NOBUTA GROUP マスターズGC レディース』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)大会最終日が10月24日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6,571ヤード/パー72)で行われ、古江彩佳が通算12アンダーで2週連続優勝を果たした。1打差の通算11アンダー、2位は西郷真央。ラストゲームのキムハヌルは通算2アンダー、20位タイだった。
(天候:曇り時々晴れ 気温:14.3℃ 風速:1.5m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:23mm》
これぞ、プロ冥利。盛大な拍手で迎えられる、18番グリーンの花道を古江彩佳は気持ちよさそうに歩いた。コロナ禍の影響。プロ転向後、有観客で優勝を飾るのは初めてだった。1打差に迫られたものの、2メートルのウイニングパットは、まったく危なげなく落ち着いてカップイン。
地元・兵庫で凱旋Vを果たした。「第1日から、たくさんの方が足を運んでくださった。もう、頑張るしかありません。私を奮い立たせ、優勝を飾ることができたのは、ギャラリーの皆さんのおかげです。ありがとうございました」といい、「本当に気持ちが良かったです」と、珍しく目を潤ませるシーンが印象に残る。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGA通算6勝目(アマを含む)の1日は、2位と1打差の首位で迎えた。もちろん、優勝を逃すわけにはいかない。渋滞を避けるために、いつも以上に早くコースへ。準備はしっかり行った。スタート直前、誓ったことはスキを見せない-である。
1番、「きょうのベストショット」という第3打を放つ。残り82ヤード、58度で30センチにつけた。もちろん、バーディー発進である。続く2番も1.5メートルのバーディーチャンスを確実にカップイン。素晴らしいスタートダッシュだった。
そして、勝負のサンデーバックナインへ向かう。10番の第2打。ちょっとした事件があった。残り143ヤード。「9Iのつもりでバッグから抜いたけど、9とPが同じように見えたのかなぁ。緊張というより、プレーペースを上げようとしていた」と振り返る。幸い、清水キャディーの機転で、大事にはいたらない。
すごいなぁ、と感じたのは、何事もなかったかのように、4メートルのバーディーパットを沈めたことだ。ただし、すべてがうまくいったわけではない。バーディー狙いのパー5・12番でボギーを叩く。とはいえ、続く13番でバウンスバックに成功。2位の西郷真央が後半、猛チャージをかけたものの、並ばれることはなかった。完勝である。
「ジュニア時代からプレーしたコース。この大会を観戦したことがある。やはり、地元。しかも、そんな思い出がある。ただただ、うれしい」。前週に続いて、ヒロインとなった。さらに、生涯獲得賞金が2億円を突破。21歳150日は、宮里藍に続く2位である。
デビュー時から、一戦必勝の構えで試合へ臨んできた。これがプロの証。「2位では意味がありません。優勝することで皆さんが覚えてくださる。2位は記憶にも、記録にも残りません。これまでも、これからも、ずっと一緒です」と、落ち着いた口調で語っていた。
次週は3週連続優勝へ挑戦する。「そういうことは考えていません。それより、すごく難しいコース。試合へ集中するため、あえて記録を意識はしません」。ブレないメンタルの強さ。外見からはまったくわからない。プレー同様、公式会見でもプロフェッショナルだった。
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