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2019.3.24

逆転V 上田桃子、まさかを5連発

<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>

 2019年LPGAツアー第3戦『Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント』(賞金総額1億円 優勝賞金1,800万円)大会最終日が3月24日、大阪府茨木市・茨木国際ゴルフ倶楽部(6,219ヤード/パー71)で行われ、通算6アンダーで上田桃子が逆転優勝を飾った。2位タイは通算4アンダーの勝みなみ、申ジエ。(天候:曇り 気温:10.1℃ 風速:3.0 m/s)

 まさかを5連発。上田桃子の優勝会見は、意外なコメントからスタートした。「まさかです。朝、(右手中指が)こんなに痛くなったことも、まさか。プレーできたことも、まさかです。本当にまさか、まさかの連続で…」。

 5バーディー、3ボギーで3日連続の69だった。とりわけ、優勝をグイッと引き寄せた14番は、7Iで左横6メートルにつけ、難しいラインをきっちりと読んだ素晴らしいバーディー。「昨晩、痛みで目が覚めた。最初は、骨折しているのか…。そのぐらい痛い。こういう痛みは初めてですから」と説明する。当然、好位置につけているとはいえ、棄権も覚悟したそうだ。

 「普段から、下半身で打つことを心がけていたから、右手がダメでもやれるのではないかと思った。練習場では20球程度、打ってみましたね。試合中は、右手をかばっているからどんどん痛くなってきたし、とにかく指先を意識しない。おなかに普段の何倍も力を込めた。普段と飛距離はそれほど変わらない。3番でバーディーが先行したことで助かったと思います」と振り返った。

 これまでにない強さ。メンタルの勝利でもある。「けがの功名という言葉があります。今回は、ネガティブではなく、ポジティブにとらえることができた。すべてがガマン。今年はとにかくあせらないことを第一に考えた。仮に、きょうのプレーができなくても、それもガマンだなぁと思っていたでしょうね」。解脱の精神は、大山志保の姿をみながら感じたものだった。

 「何よりも大山さんの存在が大きいです。向上心のかたまりのような先輩。けがをしても、常に全力でさらなる高みを目指す姿を拝見していると、もっともっと私はがんばらなければならないという気持ちにさせてくれます」と感謝を言葉に変えている。その上で、「今年の目標は心技体のバランス。優勝したから、いうのではありません」と前置きし、「優勝を迎えにはいきません。必ず(優勝は)来ると思ってあせらずにプレーしたい。何勝したいとか、具体的な数字ではなく、心技体を整えてどれだけの結果が出せるか、です」と力強いひとことを加えた。

 開幕から、日本人選手が3連勝を飾ったのは13年ぶりだ。「すごく良いことだと思います。若手が伸びているし、私もまだまだ負けない、という気持ちでプレーしている。相乗効果ですね」。桃の開花は、春の訪れを告げる。冬の寒さにも負けない、「辛抱忍耐」が花言葉のひとつにあった。

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