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2019.12.1

渋野日向子 謎のシーズンは98点

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)最終日

 どこまでも、どこまでもキヨキヨしい。2位タイで終わった渋野日向子は、「全然、人が違うと思うぐらい、気分スッキリです」。激動の2019年シーズンのラストプレーが、自身の象徴だったそうだ。

 18番を解説してもらおう。「第1打が今日イチでした。でも、172ヤード、5Iの第2打をダフって…。それでも2.5メートルにつけ、バーディーをとれた。入った瞬間、安どというか、出たのは笑いだけ。本当に良い終わり方ができた。それもダフってグリーンへ乗せるところが私を象徴しているなぁ。そう感じるボールでした」と話した。

 賞金ランキングは2位。しかし、メルセデスランキングでは堂々の1位になった。「車をゲット。有言実行することができて良かったなぁ、と思います。運転をすればストレス解消につながる。でも、最近はする時間がとれない。だから、オフは家のまわりをウロチョロしようかなぁ」という。続いて、「賞金シードを狙って頑張ってきた年に、賞金ランキング2位は本当に予想外。1年間、よく頑張ったねぇと神さまが与えてくださったものかなぁと思うし、まだ1位は早いという試練も同時に。もっと頑張っていかなければならない2位ですね」と説明する。

 ということで、年間の自己採点は-。「難しい。結果としては、100点満点を超えている。でも、何だろうなぁ。98ということに。マイナス2点はNEC軽井沢72ゴルフトーナメントの3パットです」とジャッジした。そして、報道陣から出されていた宿題にも言及。2019年を漢字1文字で表すというものだ。選択したのは、『謎』。「いろいろな意味で謎です」と理由を語る。

 8月、42年ぶりの日本人選手メジャー制覇を成し遂げた。失礼ながら、無印の存在。何しろ、自身が、「練習へ行ったら、勝っちゃいました」と表現するほどだ。わずか、1週間で国民的なヒロインへ変身。スマイリングシンデレラの冠は全世界へ発信された。

 「自分では、そんなに笑っているつもりはなかった。全英は楽しんでプレーしていたのです。だから、スマイリングシンデレラと名前をつけてもらったことによって、ずっと笑っていないといけない。そう思ってプレーした時もあります。一方で、私の人生だから、やりたいようにやればいいなぁと思うところもあった。しかし、応援をしてくださると自然に笑っちゃうのかなぁ。バーディーをとれたりするとニヤけちゃう。そういうところを皆さんへお届けしました。何といっていいかわからないけど、すみません」。

 口八丁手八丁とは、この人をいうのだろう。プレーを見ていても、話を聞いていても、周囲が自然と前のめりになる。とまぁ、こちらがキヨキヨしてしまうのだ。ただし、終始一貫して変わらないのは、礼節。毎日、1番のティーインググラウンドで、関係者、ギャラリー、それからコースへ深々と一礼を行う。素晴らしいルーティンのスペシャルが、ホールアウト後に見られた。

 クラブハウスの出入り口に立ち、ギャラリーへ向けてキャップをとって深々と一礼を。礼に始まり、礼に終わる。淑女のスポーツはかくありたい。もちろん、そのシーンへ遭遇したギャラリーはキヨキヨして帰途についた。

(メディア管理部・鈴木 孝之)

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