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2013.12.1

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日

BIGスコア大山志保 BIGタイトル森田理香子
最終戦、新旧女王の熱き戦い

 2013年度LPGAツアー最終戦『LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億円、優勝賞金2,500万円)の最終日が、12月1日、宮崎県宮崎市の宮崎カントリークラブ(6,451ヤード/パー72)で行われた。

 優勝争いは66のビッグスコアを叩きだした大山志保が、通算9アンダーで今季初V。4打差の2位はテレサ・ルー(台湾)、5打差の3位には、アンソンジュ(韓国)。また、賞金女王争いは、横峯さくらがこの日70をマークして、通算3オーバーの7位タイと順位を上げた。一方、森田理香子は通算4オーバーの12位に終わったが、年間獲得賞金は約130万円差で首位を守り、初の賞金女王のタイトルを獲得した。(天候:曇り、気温:15.9℃、風速:1.8メートル)

 大山志保の今季の総決算は、怒涛のバーディー、圧巻のイーグル。声援は、驚きのどよめきに変わった。6番で3メートル、7番で5メートル、8番でも4メートルのバーディーチャンスを決めて、一気に首位へ。それだけでは終わらない。9番では、残り227ヤードの第2打を3Wでナイスショット、2オンに成功した。左上7メートルのイーグルパットを、沈めて何度もガッツポーズ。優勝をグイッと引き寄せた。

 ところが、序盤は、心の中で泣いていたという。「3番で3メートル弱のバーディーチャンスを逃し、次の4番では1.5メートルのパーパットを外した」からだ。そんな悪い流れを一喝したのは、キャディーのディナドリューさん。「いつものようにストロークしていない。流すように打っている。志保は、最終日になるとパッティングで流すように打つから勝てないんだと、怒られた。でも考えてみれば、その通り。オーバーしてもいいから、しっかりと打つのが私のスタイルだった」。

 優勝を意識するあまり、最終日の特別仕様は精神面にも影響を及ぼしていた。「昨日、魂を込めてと最終日はプレーすると誓ったから、その通りにしたけど、やはり自然体がいい」と改めて痛感した18ホール。地元で開催される今大会は2005年以来の制覇となった。「私は、ゴルフが大好き。一歩一歩、成長していきます。ただ、ゴルフ以上に、人間的にもっと成長したい」。2006年賞金女王を獲得した実績がありながら、昨年はケガが多く賞金シードまで失う。そんな苦悩を脱出した経験が、この日の66というビッグスコアを生み出した。


 自分自身では、「まだ、23歳」といいながら、その存在感はいつの間にか、全てのツアープロが意識するものとなっていた。森田理香子が最後までハラハラドキドキしながら、初の賞金女王のタイトルを獲得した。「もう、大丈夫。おめでとう」と確定を知らされたのが、ホールアウト後、1時間も経ってからだ。「もし、今年ダメでも、もっとしなくてはいけないことがある、と思っていました。ドキドキしていない。でも、(賞金女王のタイトルは)とてもうれしい。すごく…」。いつもクールな森田も、この時ばかりは満面の笑みをたたえた。

 アマチュア時代から大器の評判が。しかし、テクニックは抜群でも、感情をコントロールすることがうまくない。それをアドバイスしたのは、指導する岡本綾子。「プレーで悪いことがあると、ふくれる。ふてくされる。でも怒るって、気持ちがいいものではない」と森田は振り返った。岡本は普段の生活から、さまざまなことを口でいうのではなく、実際に見せたという。「あれだけの方でも、周囲への気配りを欠かさない。ゴルフだけをうまくできてもダメ。人間も大きくなれ、と教えていただきました」。今シーズン、森田はプレー中、どんな悪いことがあっても、常に前を見据えている。それは、最終戦を制した大山など、ライバルが異口同音、口にすることだ。

 「ゴルフって、アマチュアを含めて、みんなができるスポーツ。そのせいでしょうか。アスリートという感じがしません。私はアスリートとして、皆さんから見てもらえるようにしたいですね」。日本ツアーでナンバーワンという美しいスイングは、師匠譲り。だが、アスリートゴルファーと認められれば、肩を並べる? いや、それを超えることにならないだろうか。2014年のツアー、その資質が試される。

 勝負の世界で「もし」の2文字は使うべきではないかもしれない。でも、今回だけは…。あくまで仮定の話だが、横峯さくらが18番でバーディーをとっていたら、約51万円差をつけ、今季再逆転で、賞金女王に輝いた可能性もあった。結局、賞金ランク2位に終わったが、横峯の頑張りが日本中のファンを振り向かせたことに変わりはない。

 「今日は5アンダーを目指す、が目標でした。とにかく攻めて、攻めて、攻める、の気持ちで。タイトルを逃したことは正直に悔しいです。でも、悔いのない一日。森田さんには素直におめでとう、と言いたい」。今季は、開幕戦から森田とのプレーオフで敗れた。しかし、ツアー終盤の伊藤園レディスで優勝を飾り、賞金ランク1位に。エリエールレディスで再逆転を許したが、デッドヒートは最終戦、2人のホールアウト後まで続く― という伝説が誕生した。「私はマイペースで頑張ります。森田さんは、まだゴルフの怖さを感じていないかもしれません」。そのひとことに力を込めた。


テレサ・ルー (2位:-5)
「今日は本当に楽しかったです。コースのいろんなところで大きな歓声が上がってテンションが上がったし楽しくプレー出来ました。今年は優勝も出来たし、賞金ランキング3位にもなれたし、すごく良い経験が出来て素晴らしい一年でした。オフにしっかりトレーニングして、来年はもっともっと優勝出来るように頑張ります」。

アンソンジュ (3位:-4)
「今日は大山さんのすごいプレーを目の前で見てて、自分もよかったと思いますが、大山さんのパッティングが本当にすごかったです。今年は自分のやりたいプレーが思うように出来なかったことが多かったので、足りない部分をオフの合宿で練習して、来年は今年より良い一年にしたいです」。

申ジエ (5位タイ:+1)
「(シード獲得)すごく嬉しいです。今日はすごく大事な日だと思って、緊張しながらプレーしていました。今年はとても慌ただしい一年でしたが、また来年もトーナメントに出られるし本当に嬉しいです」。

吉田弓美子 (7位タイ:+3)
「今年はいろんなことがあって大変な一年でしたが、最終戦にも出れたし、良い成績も残せたし、いい一年だったと思います」。

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