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2020.11.6

240ヤードのキャリー 藤田さいきのニュースタイル

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2020-21年・第11戦『TOTOジャパンクラシック』(賞金総額1億6,000万円、優勝賞金2,400万円)が11月6日、茨城県小美玉市・太平洋クラブ美野里コース(6,554 Yards/Par 72)で開幕した。絶好のコンディションに恵まれ、好スコアが続出。藤田さいき、ペソンウが7アンダーで首位に立った。1打差の6アンダー、3位タイは大里桃子、申ジエ。ディフェンディングチャンピオンの鈴木愛は4アンダー、10位タイとまずまずのスタートを切った。注目の渋野日向子は1アンダー、38位タイ。
(天候:晴れ 気温:13.4℃ 風速:0.8m/s)

 首位でホールアウトしたのは、2018年KKT杯バンテリンレディスオープン以来、2年半ぶりだ。34歳の藤田さいきが、輝きを取り戻そうとしている。第1日、1イーグル、6バーディー、1ボギーの65をマーク。特に、パー5の17番のイーグル奪取は圧巻だった。ピンまで225ヤードの第2打を3Wで残り5メートルに付ける。イーグルパットをきっちり決めた。「あすからも、たくさんバーディーをとりたい」と、笑顔が弾けた。

 20歳前後の新鋭が次々に台頭するJLPGAツアー。中堅からベテランといわれる存在になった。時には、体力の衰えを痛感することもある。前週の樋口久子 三菱電機レディスを腰痛で欠場。針治療などを施して戦列へ復帰した。「腰痛は年齢を重ねるとともに、出るようになった。今季はずっと内容の良いプレーをしている。しかし、腰をかばいながらスイングする状態だったから、前週は大事をとって休みました」という。

 2010年の日本女子プロゴルフ選手権を制するなど、JLPGAツアー5勝の実力者。でも、11年10月の富士通レディース以来、優勝から遠ざかっている。パッティング、ショートゲームの不調が影響したためだ。「最後に優勝したのはいつだったか、わからないくらい…」といい、「ようやく戻ってきたという喜びをかみしめている。今はゴルフが楽しい。5年ほど前、ケガや病気が重なり、つらいことばかり。まさか、こんなにゴルフが楽しめる日が来るなんて思わなかった」と振り返った。

 最近のテーマは、「体に負担をかけず、効率よく飛ばす」。師でもある父・健さんと徹底的に話し合った。試行錯誤のかいがあり、「ミート率が上がり、キャリーで240ヤードは計算できる」と十分な手応えを得た。一方で、同い年の横峯さくらが、妊娠7か月で参戦。「さくらちゃんの立場だったら、私はあんなに頑張れるかどうかわからない」と敬意を表している。今月22日が誕生日。自らで祝う楽しみができた。プロゴルファーは素敵な職業である。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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