2025.6.20
「Hello,Golf!社会科見学プログラム」at ユピテル・静岡新聞 SBS レディース
2021.3.20
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 鹿児島高牧カントリークラブ(鹿児島県)第2日
いよいよ上昇の時。鈴木愛は、あわてず騒がず、好機到来をひたすら待ち続けた。そして、終盤。17番、8Iで5メートルにつけ、バーディーを決めると、続く最終18番では、10メートルのロングパットを鮮やかに決めた。連続バーディーのフィニッシュは最終日へ向けたチャージのプロローグ。5バーディー、1ボギーの内容で、今年のベストスコア68に手応えを感じた。
「15、16番でバーディーを狙っていたけど、惜しかったですね。でも、かわりに17、18番でバーディーがとれた。この連続バーディーはあすのことを考えると、本当に大きい」といい、「最終日は、上位についていけるようにしたい。あすは、最低でも60台のスコアでプレーできるように」。淡々と話している。
今年のスタート前、「5勝以上をあげる」ことを自身へ課した。しかし、前2戦とも47位タイと成績はいまひとつ。「調子は悪くない。あとは、待つだけです」と静かに構えていた。
ただし、今大会は少し趣が違う。「渡さんのためにプレーをします」と力を込める。主催のENEOS株式会社の名誉顧問・渡文明氏が昨年12月24日、急性心筋梗塞で亡くなった。2017年ニトリレディスゴルフトーナメントのプロアマ戦で、同組になったことが縁となり、「本当に私を大事にしてくださった方です」と、しんみりと振り返りながら、「あれだけ元気でいらしたのに、信じられません。お礼をいうことができずにお別れでした。結果で恩返しをしたい」。
個人的な親交のエピソードを会見で漏らすのは珍しい。苦手の雨の1日でも、ひたすらチャンスを待ち続けた事情がわかった。
(メディア管理部・鈴木 孝之)