2021.4.25
鮮やかに大会新 稲見萌寧、逆転V
<Photo:Masterpress/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第22戦『39th フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金 1,440万円)大会最終日が4月25日、静岡県伊東市・川奈ホテルゴルフコース富士コース(6,439ヤード/パー71)で行われ、稲見萌寧がトーナメントレコードの通算12アンダーで逆転V。通算6勝目をあげた。3打差の2位は山下美夢有。また、小祝さくらがベストスコアの64をマーク。3位タイと気を吐いた。
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気がつけば、4月は3勝の快進撃。大会新で逆転優勝の稲見萌寧が、しみじみと語っている。「また勝てて良かった。前半の9ホールは静かにプレーをして、少しずつ行く作戦。優勝を意識したのは、14番のバーディーです」。
その14番は7Iのコントロールショットで、ピン右横1.5メートルにナイスオンだった。ギャラリーの歓声がひと際大きい。「2019年の初優勝。ギャラリーの皆さんの前で勝てたことがうれしい。たくさんのギャラリーが見ていてくださると、あとひと押しが違う。私は、ギャラリーが多いほど、いいプレーができる」と、堂々と語った。
この日は、スタートから2連続バーディー奪取で一気に勝負の流れに乗る。パー5の4番は残り35ヤードの第3打を58度で、ピン横10センチのスーパーアプローチを披露。自身が公言するショットメーカーに加え、ショートゲームの進化もアピールする。「アプローチは、ミスもしているけど、いいところも多い。少しずつ良くはなってきていると思う」と控えめだ。
さらに、際立っているのがパッティング。今大会、キャディーをつとめた奥嶋誠昭コーチが明かす。「クロスハンドスタイルです。ただ、パッティングのストロークで右脇を締めるクセがある。腕1本分ぐらいのスペースをつくったら、とアドバイスした。それが今年、シーズンを再開する2週前ぐらい。でも、本人が実践したのは、試合がはじまってからだと思います。スペースをつくることによって、ストロークがきれいになって、ボールの転がりがとても良くなった」と説明した。
指導したのは、3年前の12月。「絶対音感のような、絶対距離感が備わっていた。天性のものでしょうね。2、3ヤード刻みでショットができることが素晴らしい」といい、「今年、成績が上がっているのは、やはり自信がついたからでしょう。いろいろな勝ち方で優勝を飾った。勝負勘もすごい。勝てば勝つほど自信がつく」とも話している。
ただし、本人はまだ納得しているわけではない。あくまでも進化の過程。「これで良し」と満足することがなし。「パッティングはストロークが良くなるように日々、努力しています。今回の勝因は、ティーショット。第2打でフェアウエーから狙うことができた」と、控えめだ。
21年は8戦で4勝である。勝率5割と異次元の活躍を展開中。シーズン獲得賞金が1億円も突破した。「勝てるだけ勝ちたい。先のことなんてわかりません。だから、数の目標はつくらない。でも、静岡県の試合で3勝している。なぜかわからないけど、今回は景色。海が好きで、素晴らしい景色を楽しみながら落ち着いてプレーができた」。そして、「上位でプレーしているから、いい疲れ方です」と、心地よい疲労を全身に感じた。
充実の週末を過ごせることがトップ選手の特権かもしれない。
(メディア管理部・中山 亜子)
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