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2021.7.3

果報は二度寝で- 平井亜実、デビューは67

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

資生堂 レディスオープン 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)第3日

 JLPGAツアーデビュー戦は5バーディー、ノーボギーの素晴らしい内容だった。前週の最終プロテストを合格した平井亜実が暫定8位タイ。「(プロテストの)緊張感から解放され今、楽しくて仕方がない。きょうも楽しかった。思い通りのプレーができた」と、当然ながら初の公式会見も、はつらつとした様子は好感度抜群だ。

 プロテストは5度目のチャレンジ。「合格するまで、本当に長かった」という。ゴルフを始めたのは10歳。24歳で念願のスタートラインに立った。「初めてのJLPGAツアー。失うものはありません。どこまで実力が通用するか、試しにきた。でも、雨で2日間中止に…。本当にプレーができて良かったです。競技成立へ向けて進んでいるし、まぼろしになりませんように、と祈っていました」。ホッと胸をなでおろした様子だ。

 それはそうだ。振り返れば、この日も早朝から雨。午前4時20分に起床し、宿舎の窓からうっとうしい梅雨空を見上げ、タメ息を漏らしたという。さらにスタートが遅れるという知らせを受けた。こうなると、意気消沈してしまいそうだが、「しっかり対応できました」とニッコリ。

 もう一度、ベッドへ入り二度寝を楽しみ、目覚めるとヨガでウォーミングアップを行ったそうだ。「1年前ぐらいから、動画を見てはじめました。ポーズをとっていると気分がすっきりします」。猫と牛、戦士のポーズなど、呼吸に気をつけ全身を目覚めさせた。

 パー5の2番。グリーン手前、12ヤードのラフから、第3打をピタリと寄せ、初めてのバーディーを奪った。スコアをみると、順風満帆の印象でも「ピンチは結構、ありました。でも、際どいパーパットをことごとく決めたことがスコアにつながったのでしょう。特に5番です。バンカーから2メートルへ寄せたけど、下りの難しいフックライン。うまくカップインできて、流れがつくれたと思います」と分析する。

 これまでの5年間、試合を求め、各地へ赴く。中国ツアーも、自ら調べて挑戦を決意。19年の三菱重工カップで優勝を飾る。遠回りはしたものの、持ち前の向上心と探求心はさらに磨きがかかった。

 「私は石川県野々市市出身です。とてもステキなところ。残念なことに、石川県出身のプロがまだ、JLPGAツアーで優勝したことはない。だから、最初の選手になります」と誓っている。ちなみに、石川県出身プロは11人(プロフェッショナル会員10人、ティーチング1人)と少ない。故郷をアピールする使命も加わり、ヤル気が倍増。

 デビュー戦で訪れたチャンスを、逃してなるものか-と顔に書いてあるようだ。最終日は優勝争いの大仕事である。

                           (メディア管理部・宮崎 善秀)

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