2021.10.10
惜敗のアマ佐藤心結『必ず戻ってきます』
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
スタンレーレディスゴルフトーナメント 東名カントリークラブ(静岡県)最終日
勝負は無情だった。アマチュアながら佐藤心結は、史上2人目のプレーオフ進出。2ホール目の第3打は「完ぺきだった」と振り返る。しかし、ピンへ当たりボールは左横10メートルへはねていった。善戦及ばず、2位タイ。
勝敗が決着すると、涙がとめどなくあふれた。「優勝することができなかった。やはり悔しいです」と口を開き、言葉をつなぐ。涙の理由である。「18番から駐車場が見えました。家族や同級生が見守ってくれていたんです。私はきょう、できることを精一杯がんばった。やりきったと思います。いろいろな気持ちがあふれてきて、涙が出ました」。
開幕前はまったくといっていいほど無名の存在だった。それが第1日から上位をにぎわし連日の公式会見へ。一躍、時の人となった。「最終日のテーマは感謝の気持ちを持ち続け、1日プレーをしよう-でした。この3日間、トッププロがプレーするすごく難しいセッティングで、ふたけたアンダーをマークできたことがうれしい。また、有名な方と同じコースでプレーしたことは、本当に幸せです」と話した。
そして、姿勢を正し、「出場できたことは当たり前ではありません。大会へ携わったすべての皆さまへ感謝を申し上げます。次にツアーへ出場する予定はありません。でも、最終プロテストで合格して必ず戻ってまいります。優勝するために」と深々と一礼する。
その礼儀正しさには驚いた。会見終了後、渋野日向子とすれ違い、改めてあいさつすると、「応援しています。これからもがんばってください。強じんなメンタルがあるから絶対、大丈夫」と、エールを送られるサプライズも。
もし、優勝を飾っていれば最終プロテストが免除の恩恵があった。しかし、新たな挑戦へ意欲を燃やす。「12日から(最終プロテスト)2次予選が待っています。気持ちを切り替えないと。あすから、練習ラウンドです」。気持ちの切り替えも早かった。間違いなく、強くなる。
(メディア管理部・中山 亜子)
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