2021.11.5
小祝さくら 12番で見せた気迫の1打
<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第49戦『TOTO ジャパンクラシック』(賞金総額2億2000万円、優勝賞金3300万円)大会第2日が11月5日、滋賀県大津市・瀬田ゴルフコース北コース(6,616ヤード/パー72)で行われた。上位は実力者がズラリ。1打を争う、スリリングな攻防戦の様相を呈してきた。
首位は通算10アンダーの小祝さくら。1打差の2位で古江彩佳が追う。3位に通算8アンダーの高橋彩華。通算7アンダー、4位で上田桃子が続く。また、通算6アンダー、5位タイに鈴木愛、稲見萌寧がつけている。笹生優花は通算2アンダー、16位タイ、渋野日向子は通算1オーバー、38位タイから巻き返しを狙う。
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《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:23.5mm》
バンカーから一閃。小祝さくらの魂がボールへ宿る。12番、鮮やかな26ヤードのチップインバーディーだった。
「あんなにうまく打てるとは…」。正直な気持ちを吐露する。どんな、スーパープレーにも、いつも淡々と答えているが、このワンショットだけはホールアウト後も興奮した表情で語った。
なぜなら、流れを変えたのだから。前半、前日の勢いがウソのようだった。ノーバーディーで、しかも2ボギー。「このままではヤバい。それにしても、9番で3パットをしたのはショックが大きかった」と振り返る。後半へ向かうまでのインターバルで、きっちりと気持ちを切り替えた。
決して調子が良かったわけではない。「これだ」と確信した、ティーアップの高さも、「しっくりこなかったホールがある。どの高さがベストなのか、またわからなくなった。調整をしながらです」と漏らしている。
それでも、この日は気迫が上回る。バックナインで5バーディーを奪った。「3つのパー5があるから、よしっ、巻き返してやろうという気持ちです。16番はパーでしたけど、13、18番は2日連続でバーディーがとれた」と話した。
残り4試合。誰もが、優勝を手中に-の気持ちでプレーしている。現状では賞金ランキング3位だが、勝てば再び、賞金女王のタイトルが視界へ入る。
一方で、別の楽しみも。同じ、辻村明志コーチから指導を受けている、上田桃子も今回、4位と優勝争いに加わった。最終日、最終組で、「桃子さんとプレーしたことが一度もありません。日曜日は、ぜひ…」と、エールを送る。さくらのつぼみと、夢がふくらむ週末になった。
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