2021.11.13
稲見萌寧 3連続をおかわりで一気に首位
<Photo:Masterpress/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第50戦『第37回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が11月13日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,741ヤード/パー72)で行われた。快晴。絶好のコンディションで一気に稲見萌寧がスコアを伸ばす。8バーディー、ノーボギーの64をマーク。通算10アンダーで首位に立った。1打差の通算9アンダー、2位は上田桃子。通算6アンダーで山下美夢有が3位につけている。
注目の古江彩佳は通算1アンダー、13位タイ。渋野日向子は通算6オーバーで予選落ちした。
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《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:22.5mm》
きょうも吉日。稲見萌寧は最終18番をバーディーで締めくくった。追従を許さない64。通算10アンダーのムービングデーである。
「スタートホールで6メートルのバーディーを決めたことが大きい」と振り返った。それにしても、圧巻のプレー。心配された腰痛の影響など、少しも感じさせない。さすが-の一語である。
「腰に違和感があって、スイングが思うようにはいかない。結果は良かったものの、調子がいいとはいえない。きょうは、その分をパッティングで補ったような感じですね」とも。前半のハイライトは5-7番の3連続バーディー。5、6番が各1メートル、7番で2メートルのバーディーチャンスを、きっちりとカップインさせている。
そして後半、またも12-14番で3連続バーディーのおかわり。傍目でみていても、とにかくすごかった。きれいなスイングで、チャンスを構築。そして、しなやかなパッティングでスコアを伸ばす。
腰痛を発症したのが1カ月前。痛み止めを服用しているものの、そんな影響はみじんもなし。「ラウンド中、(勝)みなみさんと、美容のお話をしていた」と、まるでハイキングをしていたかのような一面を垣間見せた。セルフコントロールが巧みである。負のことばかりを考えない。棄権したマスターズGCレディースでは、歩行するのがやっとの状態だったことも明かす。
集中力もすごい。「ショットの感触は、40-50点。パッティングが70点ぐらいでしょうか。感覚的なことで、うまく言葉にはできないけど、スイングでインパクトから腰がうまく動かない。それでも、気持ちが悪いなりにショットのコントロールができた」と話す。
心がけているのは目前への全集中。「1日をうまくこなすだけ。優勝を意識するのは、最終日、最後の何ホールかになってからですよ。それよりも、あす、万全の状態でスタートすることが大事。それができたら、楽しくプレーする」とひと息ついて、「逃げ切りでも、追い込みでも、勝てればうれしい」と語っている。
一方、話題になっている賞金女王争いは、ランキング3位の小祝さくらが予選落ち。2位の古江彩佳との一騎打ちムードだが、「(タイトルは)特別な目標ではありません」と、笑顔のひとことであっさりとかわしてしまった。
その代わりといってはヘンなことだが、「(腰痛を発症し)練習量が減りました。でも、休む時間が増え、疲労がかなり緩和されている」。すべてを受け入れ、最善を尽くす。与えられた状況をプラスへ変化させる達人でもある。これすなわち、吉日にする秘けつだった。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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