1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. 福岡生まれ-宮崎で深紅の女王 三ヶ島かな初V

2021.11.28

福岡生まれ-宮崎で深紅の女王 三ヶ島かな初V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金3000万円)大会最終日が11月28日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,543ヤード/パー72)で行われ、首位スタートの三ヶ島かなが、通算11アンダーでツアー初Vを、公式戦制覇で飾った。2位は通算7アンダーの小祝さくら。古江彩佳は通算6アンダー、3位に終わったが逆転でメルセデス・ランキング1位へ浮上し、初のタイトルを獲得した。一方、稲見萌寧は通算イーブンパーの9位タイ。賞金女王へ輝いた。
(天候:晴れ 気温:14.6℃ 風速:4.6m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23mm》

 深紅の女王になった三ヶ島かなは美しく、そして輝いていた。公式戦でJLPGA初優勝。「目前のことに集中-と、きのう皆さんへお話しました。有言実行することができて、本当にうれしい」。落ち着いて、しっかりした言葉で感想を語った。

 長くて厳しい1日。15番へ向かう移動途中で、こんなことがあったという。「(緊張で)手が震えていた。でも、頑張らなくてはいけない。もっと、できる」と自身を鼓舞。ところが、その15番でボギーを叩いた。

 「第2打がバンカーへ。しかも、ボールが目玉の状況でした。わーっ、なんで今…。この大事なところで」と、言葉を区切り、「全力でクラブを振って、ボールを出すことだけに集中した」と続ける。

 ピンチの後にはチャンスがあった。ボギーを叩いても、ますます闘争心がわいてくる。パー3の16番。グリーン右手前からの12ヤードの第2打を58度でチップインに成功した。ひと振りで優勝をグイッと引き寄せる。続く17番でも、4メートルのバーディー奪取に成功した。ホールアウトしてみれば、2位へ4打差をつける完勝だ。

 「ウイニングパットを決め、仲間が出迎えてくださった。本当にうれしい。でも、喜ぶことより、脳裏へ浮かんだことは何勝もできる選手になろう。これからも気を引き締めてもっと、努力を続ける」。これまでの悔しい経験は、ムダではなかったということだろう。最終プロテスト合格は18年7月。しかし、TPD単年登録で父の直さんと、16年からツアーを転戦してきた。が、シード選手になれてもウイナーにはなれない。

 転機は19年の今大会の終了時。当時、渋野日向子などを指導した青木翔コーチへ指導を求めた。さらに、20年から父娘ではなく、1人でツアーを戦うことを決意。「持ち球をフェードへ変更して、飛距離が出るようになった。バーディー数が増え、攻めることがいかに大切か-をわかったことが大きい。笑顔のプレーがたくさんできるようになりました」と話した。

 この日は、本人には知らせず、直さんが18ホールのプレーを見守っている。「最終ホールのグリーンで気がついた。4番で(父と)似ている人がいるなぁとは思いましたけど…。一緒に勝てなかったことは残念。でも、私のために見守ってくれました。申し訳ないという気持ちがずっとあったけど、優勝を目の前でみてもらうことができて恩返しができたと思います」と、感謝の言葉を添えた。

 一方、優勝したら-と毎日、スマートフォンの画面をながめながら決めていた、腕時計購入プランもついに実現する。「ずっと、ずっとロレックスが欲しかった。よしっ、買います。値段は500万円ぐらい」。これがプロフェッショナルだろう。満面の笑顔でスパッといった。

 ちなみに、シーズンを振り返り、「スイング改造へ取り組んできたし、めまぐるしく過ぎた。本当に、本当に勉強することばかり。まだまだ、下積みをしていかないといけません。だから、きょうは100点といいたいところですけど、90点にします」。

 リコーカラーのチャンピオンブレザーがお似合い。苦しい6年間は、この日のために用意されていたのだ。

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

search検索